


日暮里界隈では、鬱金桜(うこんざくら)が沢山植えられていたそうです。
上野公園(当時は東叡山寛永寺の敷地)のすぐ裏手にあたり、当時は上野周辺でも盛大に咲き誇っていたことでしょう。
鬱金桜は白い縁側から薄緑色へと階調的に染まり、中心部は赤く色づきます。別名は浅黄(あさぎ)桜と呼ばれ、多彩な色合いが特徴です。
染井吉野と鬱金桜は開花時期が2週間ほどずれていているため、染井吉野が葉桜となる頃に鬱金桜は満開を迎えます。
そんな染井吉野と鬱金桜の違いを追ってみたいと思います。
2022年4月2日
最高12.9℃最低3.6℃
鬱金桜


この頃の鬱金桜はまだ、芽を出したばかりでした


解説によると、平成9年頃に植えたられたものだそうです
染井吉野

満開を迎え、この時はややピークをすぎたあたりでした


2022年4月10日
最高26.8℃最低13℃
鬱金桜

気温の上昇とともに開花しはじめます。このころはまだ3分咲きといったところでしょうか
鬱金桜

気温の上昇とともに開花しはじめます。このころはまだ3分咲きといったところでしょうか

遠くから見ると葉桜のようにみえます

可愛らしい形をしています


染井吉野

桜はだいぶ散り、先週と比べると人もまばらです


ちょうど花と葉っぱが入れ替わるタイミングの時でした
2022年4月17日
最高17.8℃最低9.9℃
鬱金桜


ようやく満開を迎えていました。染井吉野と違い、花と同時に葉も出ており、中心部は淡いピンク色に染まってます



別名は浅黄桜ですが、遠くから見ると確かに黄色に染まってるようにみえます


白とピンクの組み合わせが光に当たると黄色と錯覚させます
染井吉野

こちらはすっかり緑色へと様変わりしていました


初夏の匂いを漂わせる風景です


2022年4月24日
最高20.3℃最低17.4℃
鬱金桜

鮮やかな散り際です


こうしてみると地面がピンク色に染まり、やはり桜なんだと実感します


染井吉野


染井吉野

完璧な葉桜となり、桜だった頃の面影は一切ありません




秋には紅葉に染まり、ふたたび人々の目を楽しませてくれることでしょう
染井吉野が咲く頃はまだ冬の余韻を残す肌寒い時期でしたが、鬱金桜は本当に暖かい季節になって満開を迎えます。
染井吉野が春の訪れを伝える桜ならば、鬱金桜は春の終わりを告げる桜といったところでしょうか。
華やかさはどうしても染井吉野に譲りますが、優雅さと気品さを兼ね備えた鬱金桜も大変すばらしい桜でした。