銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

地蔵湯(名古屋・太閤通)

2024-11-16 07:29:00 | 銭湯
#地蔵湯




名古屋市営地下鉄桜通線
#太閤通駅
▲太閤通駅。名古屋駅の隣だが、いきなり終点駅。以前は中村市役所駅という駅名だったが、2023年に今の名前に変更している


▲改札口

▲改札口を出て左に進み

▲3番出口を目指す


▲地上に出て

▲3番出口を振り返る

▲3番出口を出ると目の前に手打ちうどんのお店があるので

▲手打ちうどんの手前にある右の細い通路に進む

▲しばらく直進



▲このカーブミラーのあるところでストップして

▲左折する

▲真っ直ぐ歩き

▲突き当たり


▲右折

▲少し歩いて左折する

▲左折したところ

▲あとは直進するのみ

▲古い建物が多い地域だ



▲右に地蔵湯がみえてくる




▲到着


入り口から男女に分かれており、左が女湯で右が男湯だった。
靴箱は蓋が編み目状になっていて、開く時は上にあげる。上にあげるのは銭湯では名古屋しか見たことがないので、この地域特有か。
靴箱は奥行きが狭く、そのままだと蓋が閉まらないので斜めにして入れた。

▲玄関の中

▲名古屋式下駄箱


▲可愛いお地蔵さんがいる


扉をあけると、すぐ左側が番台で、座っているのは70代ぐらいの女性。
終始、スマホをいじっていた。
ほんの2、3年前まで受付に座るおばちゃんといえばテレビのサスペンスドラマを見ているのが定番だったので、ついにこの年代の人もスマホをいじるようになったのかと感慨深い。
それはさておき、「こんばんは」と挨拶したあとに「貸しタオルありますか?」と聞くと、「ありますよ」と下から出してくれた。お金のことは言われなかったので、たぶん無料だろうと判断して入浴料の500円だけを出したらセーフ。
「シャンプーとか大丈夫ですか?」と聞かれたので「大丈夫です」と答えると、「シャンプーの貸し出しをしてますが」と教えてくれた。受付のそばにはカゴが3つ並び、それぞれシャンプーとボディソープ、コンディショナーがセットで入っている。
ボディソープはニベア製品で、他はポーラ製品だった。銭湯は基本的に業務用の安い備え付けがほとんどだから、有名ブランドをそろえてることに驚いた。スパ銭並みのサービスである。
ここは受付が番台なので当然ながら入ってすぐのところが脱衣場であるが、手前に段差があり、そこには亀の置物のほか著名人たちとの写真が収められていた。大半は誰か分からなかったが、秋山竜次だけは分かった。


段差をあがったところの右側にロッカーが配置され、ロッカーは青と白のチェスボード柄だった。
真ん中にはテーブルが2つほど置かれ、左側には年季の入ったマッサージチェアや古い椅子などが並ぶ。
脱衣場の奥には湯上がりに体を拭いたりタオルを絞ったりする緩衝スペースの空間がある。この作りは名古屋に共通する。


出典:あいち銭湯ホームページ引用
▲ロッカーのうえにも無数のサイン色紙が並んでいた


浴室の扉を開けて中に入ると、真ん中には楕円形の浴槽が据えられ、その奥にも浴槽が並ぶ。
関東だと基本的に奥のみに設置されているが、東海地方や関西だと浴槽を真ん中に置くことが多い。
どちらが正解かはともかく、合理的なのは関東かなとは思う。入って体を洗い、奥の浴槽に浸かり、ふたたび戻って体を洗う動線に無駄がない。
一方で湯船が真ん中にあると、どのカランを使っても均等の距離で湯船に入ることができる。
入り口を起点にするかカランを起点にするのかの違いだろう。
地蔵湯の場合は、真ん中だけでなく奥にも浴槽があるので、関東と関西のハイブリッドと考えれば、よく練られた銭湯といえる。


出典:あいち銭湯ホームページ引用
▲真ん中に湯船があると島カランがないので洗い場の数が関東と比べて少ないかもしれない


カランは左右の壁に並ぶ。
右は固定シャワーで、左はハンドシャワーだった。
左手前のくぼみにも浴槽があったが、こちらはもともと水風呂の設備だったかもしれない。この時はなにも入っておらず空っぽだった。
シャワーは勢いが良く、一方で当たりが強すぎるわけではなくちょうどいい案配。古い銭湯だと基本的に設備に期待できないが、ここは良い意味で予想を裏切ってくれた。


出典:あいち銭湯ホームページ引用
▲水風呂と思われる浴槽


奥の浴槽は左右に分かれ、左がバイブラの浴槽だった。そこそこ広くて5~6人は入れそうな広さ。
その中に湧出口と思われるライオンの顔が覗かせていたが、お湯に埋まっていたのでお湯が出てるかは確認できなかった。一番奥の左側にジェットがあるが、これは泡立たないタイプ。
右隣にある浴槽は1人用のサイズ(密着すれば2人入れる)で、電気風呂だった。思ったよりも刺激が強く、クセになりそうだった。


出典:あいち銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯。お湯はすべて40℃ぐらいと誰もが入れる温度だった


ここの浴室には印象的な壁絵が飾られてある。
正面奥のタイルには、汽車だったり木の絵がシンプルな線で描かれ、絵本の絵柄を彷彿とさせる。
左壁のところは富士山が主張するような形で描かれていた。プロの仕事というよりも趣味で描いた印象。
下の白い台座には手前側から弧を描いて複数の色や形の小さなタイルがランダムに埋め込まれている。これも子どもが喜びそうな装飾だった。


出典:あいち銭湯ホームページ引用


屋根は低めであるが、真ん中は深いくぼみになって湯気抜きになっていた。
創業は明治時代で、建物は大正に改築されたという。さすがにそれだけ古いと随所に老朽感が漂うが、よい年の取り方をしていると感じる。
客層はほぼ高齢者や中高年だが、一部で若い人も見られた。
ところで先ほどの備え付けが入ったカゴを受付に持って行き、「ありがとうございました」と返却すると、店主の女性は視線をこちらに向けず、視野の片隅で捉えながら返事の代わりにうなずいてくれた。自分が一糸まとわぬ素っ裸だったからと思われる。たぶんチラッとは見たと思うが、プライバシーに配慮してくれたのだろう。
ただ、ここの番台はなんら遮蔽板がなく脱衣場が丸見えなので、はじめから見られていると思っていた。


地蔵湯は名古屋を代表する銭湯として知られ、名古屋の銭湯でもっとも来てみたいところだった。実際に来てみると、有名であることにあぐらをかくことなく居心地良い雰囲気があり、長く愛されている理由を実感できる銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 太閤通(旧中村区役所)
経路 住宅街の中へ
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 レトロな建物
壁画・眺望 富士山や汽車の絵
統一感 あり
置物 亀
照明 明るい

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 家庭的な雰囲気
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 バイブラ、ジェット
サウナ なし
温度 40℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 気さくな感じ
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 70代の女性
客層 幅広い年齢層


【案内】

営業時間
16:00~23:30

定休日
金曜日

電話番号
052-451-8870

住所
〒453-0801
愛知県名古屋市中村区太閤5-18-19

※あいち銭湯ホームページ転載