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町の自治会から臨時総会開催の案内が回ってきた。
何の臨時総会なのかなと思ったら町内の「お稲荷さんの屋根等の改修」説明会だとのこと。
今の御時世ちょっと、いや、だいぶんズレた議題だなあと思った。
自分は生まれた時からずっと町内に住んでいるが、何十年来「お稲荷さん」に出向いたことがない。
とっくに無くなったと思っていた。
今では町内にマンションもできて地域外からもたくさんの人達が入居されていて「お稲荷さん」には縁もゆかりも無い人達が増えている。
そんな人達が「何で縁もゆかりも無いお稲荷さんの修理に町費を出さなあかんの?」と思うのは当然と思う。
長らく地元に住んでいる自分でさえそう思うのだから。
もちろん、狭い町内自治会のことだから、誰も「村八分」を気にして口に出す者はいないだろう。
それに「お稲荷さん」「白蛇さん」「地蔵さん」・・・などは「土俗信仰」とはいえ宗教である。
「信教の自由」の現代において、公共性の高い「町内会、自治会」が「お稲荷さんの修理」を議題にするというのは妙な話だ。
憲法を持ち出すのは大げさすぎるが「宗教行事への参加、礼拝、寄付・・・」などは誰人も強制されることはない、と「信教の自由、思想・信条の自由」を明言している。
「お稲荷さんの修繕」を「町費を値上げ」してまでやるというのは見当違いであろうと思う。
お寺の行事は「檀家」が、神社の行事は「氏子」が行うのが正しい。
「お稲荷さん」「地蔵さん」・・・など「土俗信仰」については「賛同する有志を募って」行うのが正しいやりかたであろうと思う。
「学校行事」「町内会行事」は「宗教色の無い」ものが好ましい。
なぜなら現代は仏教、キリスト教、神社信仰から キツネ、蛇、地蔵など民間土俗信仰・・・などなど、多種多様な宗教文化を持つ人達が混在するからだ。
姫路の浜手では屋台が繰り出す神社の祭が非常に盛んだが、最近はマンションが林立して地元外からの転入世帯も多い。
そんな方々に聞いてみたら、神社の祭行事には参加しないのだ、と言っておられた。
このような御時世に「お稲荷さんの修繕」を町内会の議題にして「臨時総会」を持つというのは、どうも時代錯誤のような気がする。
町内会、自治会は「防災」「地域活性・運営・連携」が存在意義だと思うので、その運営・行事は「宗教色」の無いものにするのがふさわしい。
「町費」を「お稲荷さんの修繕」にあてるというのは見当違いであろうと思う。
その為に「町費が逼迫しているので値上げしたい」などというのは論外であろうと思う。
「お稲荷さんの修繕費」は「有志で寄付を募る」などして行うべきで、自治会が関与することではないと思う。
そうすれば「寄付を辞退する」こともできるので「寄付の強要」などに触れることなく円滑な進行ができるのではないかと思う。