音の四季~風の彩

作曲家、しの笛・龍笛奏者、ジャズピアニスト、城山如水の徒然日記。
オカリナ、フルートの事も・・・・

メシアン~トゥランガリラ交響曲  N響

2012年01月22日 | クラシック、ジャズ
メシアンの「トゥランガリラ交響曲」のスコアは自分が高校生の頃に手にしていた。

その複雑な変拍子や現代和声に当惑したのを思い出す。

今夜、N響アワーで、この交響曲を聴いた。

多彩な音楽語法と音の洪水だった。

感じたのは12音を使う西洋音楽の究極的姿で、西洋12音音楽の終焉モニュメント的作品だろうなあと思った。

この交響曲は、音楽語法の展覧会として作曲家が「書く」ことに意義があった。
そしてこの高度なアンサンブル力を必要とする交響曲は「演奏する」こと自体に意義があるのだろうなあ、と思った。

西洋と東洋の対比を非常に意識させてくれた作品であり、トゥランガリーラ交響曲 は西洋音楽の究極形と思えた。

日本人の感想としては、素材に手を加えすぎた、また、素材の多すぎる西洋料理に胃がもたれたという感じだった。

要するに、空間に音を詰め込んだ音の洪水で、「空」という概念の無い音楽だなあ、と感じた。

これは西洋の「有か無か」という思考と、東洋の「空」という思考の違いなんだろうなあと思った。

同じ現代音楽でも、武満徹、芥川也寸志、伊福部昭、岩代太郎、吉松孝・・・のような作曲家の作品群が断然好きだ。

「トゥランガリラ交響曲」は話の種に一度聞いておこうと思うが、再度聞いてみたいとは思わない。

しかし武満徹、芥川也寸志、伊福部昭、岩城太郎、吉松孝・・・の作品は何度でも聞きたくなる。

やはり自分は東洋人であり、日本人なんだなあと思った。


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