音の四季~風の彩

作曲家、しの笛・龍笛奏者、ジャズピアニスト、城山如水の徒然日記。
オカリナ、フルートの事も・・・・

戦争の無い21世紀へ 戦争の20世紀の教訓

2012年08月13日 | 日常雑感


今年の夏は自由研究課題を設けていた。

それは第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争にいたる20世紀の戦争、大量虐殺について考えてみるということだった。

第一次世界大戦で失われた人命は900万人以上。

第二次世界大戦で失われた人命は6500万人以上。

そして朝鮮戦争からベトナム戦争、湾岸戦争で失われた人命をあわせると、20世紀は1億人以上の人命が失われたと推測される。

その大半は武器を持たない一般市民であった。

この重大な戦争犯罪は、人類が犯した犯罪として永久に歴史に留め記憶にとどめておかなくてはならない。

戦争の背景には複雑な国際関係があり、不況と失業など深刻な政治・経済問題があった。

しかしそれを、世界大戦へと爆発させる起爆剤があった。

独裁者と独裁国家の領土侵略の野望。

独裁者は民族純血主義、国家神道と神国、ファシスト全体主義による古代ローマ帝国の復活・・・など、熱狂的な民族主義を煽り、国民を戦争へと駆り立てた。

国民が独裁者に煽動されていたことに気が付いた時は、国家が滅んだあとだった。

すべてがあとの祭りであった。

思うに戦争は、国家間の領土、資源の争奪戦であるのだが、そこに民族主義、思想・社会体制、そして宗教が国民の戦争意識を高揚させて、熱狂的に戦争に突入していくものであることが見えてくる。

戦争と軍隊においては、すべての人権と自由、人命の尊厳は無視される。

人命はただの数字であり、兵力として換算されるのみである。これは国家による人間の家畜化であるといえる。

20世紀の大量殺戮戦争から学ぶものがあるとすれば。

それは独裁者と独裁体制国家の存在。排他的民族主義と宗教による独裁体制の存在だ。

二度と人類が20世紀の愚行を繰り返さない為には、地道ではあるが教育しかないように思える。

思想・信条・信教の自由と表現の自由といった人権の重要性と、人命の絶対尊厳という人道教育こそが重要であると思う。

なぜなら暴力に対して暴力による復讐を繰り返したのが20世紀の戦争虐殺であったからだ。

そして、この人権・人道教育は発展途上国にこそおこなわれなければならないだろう。

世界中の国家と民族と宗教がこの人権・人命の絶対尊厳に目覚めることが、平和への第一歩だと思える。

そのためには、人権・人命の絶対尊厳の教育しかないように思える。

人類の残虐性、民族主義の排他性、宗教の熱狂性は、いつでも独裁者に利用される。

それを防ぐには、人類ひとりひとりが目覚めるしかない。

大戦で悲惨を目の当たりにした一婦人の言葉が印象的だった。

「愛や寛容だけでは足りないのです。誰人をも傷付けてはならないのです」

単純で理想的に聞こえるかも知れないが、この言葉こそが真実だと思える。

そして、いかに高邁で優れた思想・宗教・主義主張であれ、人権と人命の絶対尊厳を無視するものは、総てまやかしなのである。




最新の画像もっと見る