しゅぷりったあえこお nano

ブログ版 シュプリッターエコー

ダンスパーティの夜デシタ

2008-03-09 22:43:02 | 都市
 ♪ダンスパーティの夜でした…、って歌ってたのは林伊佐雄さんでしたっけ、戦後まもなくのころ、たしか昭和25年ころ。
 あのころダンスパーティーといえば、ちょっとアメリカナイズで、ちょっと新しい時代の空気で、ちょっと退廃的で、ちょっと反社会的で、かなり強く恋がめざめそうな期待があって、だからかなり若手の文化で。
 それから半世紀余りたって、やっぱり今もちゃんとダンスパーティーはあるんですが、けど空気はまったく変わってきて。
 いまは、なにせ「Shall We Dance?」が日本からアメリカへ輸出される時代ですから、もうじゅうぶんにジャパナイズで、むしろ今が花の盛りの空気で、じゅうぶんに健康的で、恋がめざめるかもしれないけれど、それよりずっと夫婦和合的で、したがってもうれっきとした熟年文化で。
 ええ、見て、確かめてきたんですよ、ダンスパーティーの楽しさを。
 ポートピアホテルの大ホールを借り切って開かれたんです、六甲ソシアルダンススタジオというところの主催で、題して「ハートフル ダンスパーティー」。

 ワタクシゴトでキョーシュクですけど、妹がね、妹といっても、もうカレコレ、あばうとン才の年ですけど、デモンストレーションに出場するってんで、それで招待を受けましてね、そいでまあ、フランス料理のコースをいただきながら、みなさんの研さんの成果を楽しませていただいたというわけで。
 いやあ、なかなか楽しいんですよ。
 みんなプロのダンサーのようにお化粧して、華やかなドレスで着飾って、きれいにみがかれた床の上を、フォックストロットやワルツやタンゴやルンバやチャチャチャで…。スイスイ、タンタン、クキクキ、トントン。
 けいこを始めてまだ2年かそこらの人から何年も続けているベテランまで、技量もセンスも背の高さも体の太さも、たぶん味覚も触覚も心のカタチも、それぞれにみんな違う人たちでしょうが、ダンスにそれぞれの大切な夢を描いている、そこのところが美しくて。
 年齢にも経歴にも肩書きにも関係のない、人が心の奥底で持ち続けるある純粋な夢の領域…。
 その夢を保ち続けて、夢に一歩でも半歩でも近づく楽しさ。

 おしどりデモンストレーションというコーナーもありましてね、そこではご夫婦で日ごろの成果を披露するんですが、なかに国会議員さんのご夫婦とか市会議員さんのご夫婦とか、そういうかたもいらっしゃって、でもここでは、みな横一線に並んだアマチュアのダンス愛好者。
 そこがさわやかなんですねえ。

 先生の櫻間光彦さんというかたは、ダンスの先生という顔のほかにもうひとつ、ベテランのラガーマンという顔を持ってらして。
 ラグビーをやる男っていうのは、どこかスピリチュアル(精神的)な雰囲気を持ってますが、パーティーがさわやかなのは、あるいはそういう要素があるからかも。

 あまりくどくど書いても、ナンでしょうから、このあたりで今夜は切り上げようと思いますが、とにかく申し上げたいのは、今日のダンスパーティーにみなぎる熟年文化のめざましさ。
 人生賛歌。

 ダンスパーティーは永遠デス、なあ。

 ちなみに六甲ソシアルダンススタジオは078.821.2282
 桜間先生の携帯は090.3657.5453
 ご関心があればルルルルル…。

おおきに、中島さん―ロドニー賞

2008-02-15 12:36:55 | 都市
 神戸には、ほかの街ではちょっと見られない、風変わりな賞があります。
 神戸の街のために何かおもしろいことをしてくれた人に、おおきに(ありがとう)の心を込めて市民から贈る賞です。
 市民から贈る、というのは、候補を出すのも市民なら、選考にたずさわるのも市民で、その賞というのも、地元の六甲山の花崗岩(かこうがん)で作られる彫刻なのです。
 彫刻は授賞のつど受賞者その人に向けて作られるオリジナル作品で、それもまた彫刻家・小林陸一郎さんのボランティアで制作されているのです。
 「ロドニー賞」と呼ばれています。
 大きな賞金がついているわけではありませんが、みんなの心の結晶で営まれている賞なのです。

 今年度は、神戸や姫路そして阪神間の芸術や文化の活動を、陰から30年以上にもわたって支えてきた中島淳(なかしま・きよし)さんに贈られました。
 中島さんは、もとはサラリーマンで、それも定年退職するまで勤務はきっちりと果たされたのですが、そうしながら、芸文活動の裏方としてたくさんの仕事を手がけてこられました。
 それも手助けというようなレベルではなく、事務局長として企画の中心に入ってひとつひとつのプログラムを成功へ持っていくという、大変な立場です。

 つい先だっても、河東けいさんの一人芝居「母」の公演を韓国で成功させてきたばかりですが、演劇のほかに音楽コンサートや美術展など、中島さんが手がけたプログラムは多岐にわたり、すぐには数えることもできません。
 地域社会から現代の世界に向かって鋭い批判の論陣を張ったユニークな季刊誌「兵庫のペン」を1975年から23年間ささえ続けたことも特筆されていいでしょう。
 現在は若い芸術家たちを支援する市民メセナ「亀井純子文化基金」の事務局長も務めています。

 なんでそんなに献身的に? とは無論だれもが抱く疑問なのですが、あるいは中島さんの幼少期の体験にその根があるのかもしれません。
 1940年生まれの中島さんは、大阪で空襲にあって焼け出され、疎開先の赤穂では、親戚が禅寺だったものですから、そこで幼くして厳しい精神生活を送りました。
 平和への強い願いと精神への敬虔(けいけん)な姿勢が、この人の情熱の底にあるのかもしれません。
 たぶん、それから、もうひとつ。
 夢追い魂。つまり、ロマンティスト・スピリット。

 (なおロドニー賞は今回で17回目です。ちなみに神戸が大震災に遭った1995年には、現大リーガーのイチロー選手が受賞しています。その年、神戸をフランチャイズにしていたオリックス・ブルーウェーブのナインとして、イチロー選手はチームを優勝に導いて、神戸市民を元気づけてくれたのです。その活躍への“おおきに”の授賞でした)

 



詩人の魂―神戸震災13年

2008-01-18 22:47:13 | 都市
 神戸で大地震があった1月17日には、毎年いろんな記念の行事が行われます。
 ハーバーランドの松方ホールで開かれる詩の朗読会もその一つです。
 震災をモチーフに全国からたくさんの詩が寄せられて、そのうちひときわ心を打つ7編が選ばれて、それを女優の竹下景子さんがピアノをバックに読むのです。
 「1・17メモリアルコンサート―竹下景子 詩の朗読と音楽の夕べ」と呼ばれています。
 竹下さんは報酬なしのボランティア出演で、今年で10回目になりました。

 まだ少女の細川遥さん(鳴門市)が書いた「君へ」も、みずみずしい感性で生きていることの感動を呼び覚ます作品でしたが、とりわけ印象に残ったのは高嶋正三さん(神戸市長田区)の「春再来神戸」でした。
 震災のまっただ中を生きた高嶋さんは、そのなまなましい体験を単刀直入な言葉で著し(神戸が揺れている!)、と同時に、神戸に本当の春の再来を念じながら、「いざ」とみんなに呼びかけたのです。
 心に響く呼びかけでした。

 けれど高嶋さんの姿はこの夜、朗読会の会場にはありませんでした。
 88歳で去年の秋にすでに亡くなっていたのです。
 高嶋さんは渾身(こんしん)の詩一編を残してすでに天上へ旅立ち、声だけが竹下さんの口を借りてこの地上に響きました。

 高嶋さんは自分が発した声のこだま(まさしくシュプリッターエコー)を空の上で聴いたでしょうか。

 シャンソンの名曲に「詩人の魂」というのがあります。
 詩人は死んで、その名も忘れられて、けれど彼の書いた歌は今もパリの街を流れている、という内容です。
 高嶋さんの呼びかけの詩も、きっと神戸の街に響き続けることでしょう。 

スズメの詩人

2007-06-13 12:41:36 | 都市
 ベランダの先に1本の電柱があるんです。
 5個のガイシをずらっと笠みたいに並べた角柱型の横棒が差し渡してありましてね、その角柱の中が空洞なものですから、毎年春になるとスズメがその中でヒナを育てるんです。
 細い横棒ですから、そんな中に巣があるなんて実際に見ないと信じられませんけど、この梅雨の季節になりますと、そこからだいたい5羽くらいのコスズメが巣立ちます。
 一生懸命はばたいて電線から電線へ飛ぶ練習をするんです。
 
 チュン、チュンと、もう実ににぎやかです。
 飛べるというのは、やっぱり、うれしくて、誇らしいんでしょうね。
 親スズメが少しずつ遠くの電柱へ移っていって、コスズメを誘導するんです。

 でもね、その誘導になかなか乗らない兄弟もいるんです。
 ボクはまだここがいい、と巣の近くでぐずぐずしている。
 ほかのはどうやらエも自分で捕り始めているのに、彼はまだ母親がくわえて来てくれるのを待っている。

 ちょっと気が弱いんでしょうかね。
 甘えん坊なんですね。
 でも、スズメの中ではきっとデリケートな心の持ち主なんでしょうね。
 詩人になるんですよ、たぶん、やがて。

 それとも、あれかな、人間の社会でも今はやりの、パラサイト。
 パラサイト・チュンチュン?

東大入学?

2007-03-08 12:00:36 | 都市
昨日東京大学(本郷キャンパス)に「入学」した。
いや、ただ単にドイツのオペラ座の
DMG(芸術総監督)を務めるマエストロ上岡敏之氏の
シンポジウムが東大であっただけである。
その話は止めて、軽く東大レポを。

1.携帯が入らない!
 東大は昔の建物で壁が厚い。
 ちょっと奥まった所に入ると
 携帯の電波が入らない。

2.アカデミック?
 何処の大学にでもあるように
 東大にもカフェがあった。
 名前が「コミュニケーション・プラザ」。
 何か権威的(笑)

3.その一方で…
 東大構内にはスタバもある。
 せっかく東大に来たから、
 構内でお茶をと思ったが、
 何で東大来てまでスタバに
 入らなあかんねんと思って止めた。

4.当たり前だけど
 時間がなくて立ち寄れなかったが
 東大周辺は本屋・古書店が多い。
 t氏などウハウハだと思う。

5.赤門
 あえて正門から入らず
 赤門から入った。
 ミーハー?
 

街路樹哀れ

2006-10-31 21:50:46 | 都市
 あれは神戸市の緑地課の仕事なんでしょうが、この時期になると街路樹がね、まだ緑の葉を茂らせているのに枝を払われてしまうんです。
 ぼくの家の近くは立派なユリの木なんですが、もうみんな丸坊主。なんか不気味な光景です。
 これでは、うっそうとした緑が神戸の街を覆い尽くすような、そんな心のなごむ景観は永久にやってこないな、といつも残念に思うんです。
 
 理由はいろいろあるんでしょうけど、ね。落葉がいっせいに始まると掃除が大変だとか、木が大きくなりすぎると送電線を傷めるとか。
 でも、それって、しょせんは管理の問題でしょう?
 人の心のことを考えて街路樹を精一杯豊かにしてやろうと、そういう発想を基軸に置いたら、別の対応がありますよね。
 掃除の回数を増やすとか、送電線を地下に埋めるとか。日本の多くの都市がまだそうなんでしょうけど、この街ではとにかく管理が優先されて、どうもちょっと寂しいんです。