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ブログ版 シュプリッターエコー

菅さん、解散・総選挙へ決断を―原発国民投票へ

2011-07-03 17:53:00 | セイジ
 脱原発のことはマスコミも正面から書くのを避けていて、ぼやけたものになっています。
 最初は威勢(いせい)よく脱原発を説いていた新聞も、どんどん言い方が弱められて、今はもうヨレヨレです。
 カッコばかりの日本のマスコミのいいかげんさが、またしても表にはっきり出てきました。
 こんな記者たちがかつて日本を戦争へ巻き込んでいったのです。

 けれど、原発災害の発生からそこそこの時間がたって、おのずと全体の見取り図が見えてきました。

 電力会社は原発擁護(ようご)を貫こうとますます態勢を固めています。
 強硬な発言を繰り返す関西電力の八木社長を旗頭に、「国民が苦しむのは原発が動かせないからだ」という論法を全面に押し出して、反原発の流れを封じ込める構えです。

 原発を地元にもっている町村のほとんども、今ははっきり原発擁護を出しています。
 地域振興には原発から得る金が欠かせないというのです。
 人の命より経済のほうが大切だという論理です。
 大阪府の橋下知事が「それは本末転倒だ」と批判した論法です。

 さて肝心の政界はというと、ここもおおむね輪郭が描けるようになりました。
 自民党は原発を推進してきた張本人ですから、これが原発擁護なのはむしろ当然のことでしょう。
 問題は民主党ですが、大半の議員はどうやらはっきりと立場を表明したくない雰囲気です。
 ぼかしておくほうが保身のために安全だと、そういう本能が働いているのでしょう。
 マスコミのずるさと似ています。

 そんななかで比較的明快に見える唯一の政治家が首相です。
 脱原発への道しるべになるエネルギー法案にかける姿勢は、ほんものと考えていいでしょう。
 周りがみんなへっぴり腰でいるときに、首相ひとりが突出しているというのは少々異常な光景ではあるのですが、それがつまりは菅流なのかもしれません。
 しかし、脱原発に未来への夢をたくす国民にとっては、菅さんひとりが頼りです、という構図にますますなってきています。

 自民党と民主党のどちらに政権担当能力があるか、というようなぼんやりした争点で国会解散がやられるのなら、そんな解散はまっぴらです。
 どっちがやっても復興政策に大きな差が出るわけではありません。
 しかし、脱原発が争点なら、むしろ解散・総選挙に踏み出すべきだと思います。
 これはこれからの国づくりの根幹をどうするかという、今最大の緊急の課題です。
 国民すべてがかかわって早急に決定すべき問題です。
 原発解散と総選挙は国民投票としても最重要な意味を発揮することになるでしょう。

 かつて小泉さんは郵政民営化に絞って国会解散と総選挙をやりました。
 郵政という個別の問題で解散までするというのは、常識はずれの強引なやりかたでした。
 しかし今度の原発解散は、もし実行されるならまさしく国家的問題をめぐって行われるわけですから、大義もじゅうぶんあるわけです。

 あとは菅さんの決断です。