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ブログ版 シュプリッターエコー

国立競技場で安保問題ウヤムヤに?

2015-07-19 21:03:00 | セイジ
 政治家には確かに運の強い人と弱い人がいるようです。
 首相の安倍さんはきっと運に恵まれた人でしょう。
 国立競技場のぶざまな建設費騒動が、安倍さんには逆にいい風になりそうです。

 安倍さんは自衛隊を屈辱的(くつじょくてき)にもアメリカ軍の番犬におとしめる法律(集団的自衛権)を、衆議院の本会議でむりやりに可決させてしまいました。
 アメリカ政府にそれほどいい顔がしたいのでしょう。
 自民党の中でそれほど権力を大きく広げたいのでしょう。

 しかしいくら政治的に幼稚な日本の大衆といっても、ここのところの安倍さんのゴリ押しにはさすがに警戒心を高めたようです。
 内閣支持率が日に日に下がってきたのです。
 最近の調査ではついに37%(共同通信社)にまで落ちました。

 そこでにわかに政治の中心に登場してきたのが国立競技場の建設費問題です。
 大向こうをうならせる大胆デザインを決めたまではよかったのです。
 しかしその建設費が最初の予算を900億円近くもオーバーすることがまもなくわかってきたのです。
 いくらオリンピックのためとはいえ、それはあまりに無節操だ、と批判の声が前から上がっていたのです。

 それにしても安倍さんの発言は唐突(とうとつ)でした。
 ツルの一声とばかり、いきなり「建設を白紙に戻す」と言ったのです。

 日本経済新聞はその背景をおおよそこんなふうに述べています。
 安保法案(集団的自衛権)で支持率が低下して、そのうえ国立競技場の問題がこじれてきたら、与党にとって危機的な状況にならないとも限らない、早く手を打つ必要があった、と。

 しかし意地悪な見方かもしれませんが、安倍さんんにはもっと深い計算があったのでは、とぼくは思っているのです。
 国立競技場で民意に沿うようなポーズを印象づけて、集団的自衛権の強い批判をかわそうとしているように見えるのです。
 いくら大きな騒動とはいっても、しょせんは一競技場の問題にしかすぎません。
 首相が前面に立たないといけないような重大事件ではないのです。
 そこへ自分からしゃしゃり出た安倍さんには、心に期した計算があってのことだと思うのです。
 集団的自衛権という防衛の大問題で出してしまった失点を、一個の競技場の問題で回復することができたなら、これはメダカでタイを釣ったようなものでしょう。

 じっさい、ものごとを論理的に掘り下げるより、感覚的に判定することが多い日本の大衆です。
 安倍さんの狙いが図に当たることもなきにしもあらずです。

 安倍さんんも安倍さんなりに一つの賭けに出たのでしょうが、わたしたち大衆も政治的な意識の高さ(低さ?)が測られそうです。