神戸・長田のcity gallery 2320で3人の作家による「三つの部屋 2021」が開催されました(2021年12月4~19日)。
2階の展示室、松縄春香さんの作品は樹木の枝、あるいは枝分かれする毛細血管を思わせる繊細な造形。深い青と白のコントラストが美しい作品です。
同じく2階、森脇正奈さんは太極拳をモチーフにしたインスタレーション。色彩、画中の人物のポーズ、そしてその曼荼羅的な配置が、力強くも軽快なリズムを刻みます。肉体は立ち止まっていても、私たちの「身体」は躍動したとでもいうような、そんな不思議な感覚を残すのです。
モリン児さんは1階のフラットな展示室を最大限に使いカオス的空間を出現させました。頭のてっぺんに奇妙なアンテナを広げた胸像に自作のテルミンが接続され、ノイズを鳴らしつづけています。楽しくも乱雑をきわめたその世界の一方の壁には、どこかボッティチェリのヴィーナスを思わせる女性の柔和な横顔と、抱えるように伸びたその腕。そして反対側の壁には同じ女性の両脚が長く垂れています。願わくは私たちの放り込まれたこの救いがたく取っ散らかった世界が、それでもこうして慈悲深き女神にいだかれてあり、最後の一線の手前では救われんことを……ノイズにまぎれて漏れ聞こえてくるのはそんな切実な祈りの声でしょうか。
2階の展示室、松縄春香さんの作品は樹木の枝、あるいは枝分かれする毛細血管を思わせる繊細な造形。深い青と白のコントラストが美しい作品です。
同じく2階、森脇正奈さんは太極拳をモチーフにしたインスタレーション。色彩、画中の人物のポーズ、そしてその曼荼羅的な配置が、力強くも軽快なリズムを刻みます。肉体は立ち止まっていても、私たちの「身体」は躍動したとでもいうような、そんな不思議な感覚を残すのです。
モリン児さんは1階のフラットな展示室を最大限に使いカオス的空間を出現させました。頭のてっぺんに奇妙なアンテナを広げた胸像に自作のテルミンが接続され、ノイズを鳴らしつづけています。楽しくも乱雑をきわめたその世界の一方の壁には、どこかボッティチェリのヴィーナスを思わせる女性の柔和な横顔と、抱えるように伸びたその腕。そして反対側の壁には同じ女性の両脚が長く垂れています。願わくは私たちの放り込まれたこの救いがたく取っ散らかった世界が、それでもこうして慈悲深き女神にいだかれてあり、最後の一線の手前では救われんことを……ノイズにまぎれて漏れ聞こえてくるのはそんな切実な祈りの声でしょうか。
(t.y)
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