社会科学上の不満

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市井に埋もれた技術

2014-01-01 00:00:01 | 社会常識と教育

 新年を向かえ明るい話題を期待したが、日本の周辺がキナ臭い。しかし本日だけ別の話をしたい。

 市井に埋もれた、日本の技術がスバラシイ、利権や学閥、行政の責任回避で日の目を見ない技術が、日本の市井には多数ある。トランジスタや八木アンテナの歴史的な事例を説明するまでもなく、日本の市井の技術はナカナカ表舞台に立てない。

 まず、取り上げたい技術としては、東工大の矢野教授が推進する「マグネシウムの精製と活用」である。レーザー光線でマグネシウムを海水から精製し活用するアイディアである。熱量が重油の80%であり、現行の火力発電所の設備がほぼそのまま利用できるそうだ。更にCO2を排出しない。北海道とモンゴルで太陽光からレーザー用の電力を作り海水からマグネシウムの精製に成功している。更にマグネシウムで電池を作ると現在のリチウムイオン電池の7~8倍の時間使用できるそうだ。

 次に、WUCと言う小さな会社が飯館村で公開実験した、除染技術。セシュウムが8割以上下がった。環境省の役人も動いてくれたそうだが、その理論に前例が無いという事でお蔵入りした技術だ。除染の実績など有している企業は存在するのか?向日葵による除染に無駄な金を注ぎ込むより遥かに可能性が高いと思われる。

 更に、「バサルト」と言う素材。玄武岩から取り出された物質である。鋼鉄の7倍の強度があり重量は半分と言う素材である。この素材、欧米や中国も研究しているが、繊維にすることができない。唯一日本が成功している、これもWUCが関わっている。

 新しい技術を公開実験等でその効果を示しても環境省の現場の役人が動いても行政の上は動かない。何かあれば責任を追及されるため、「東大」と言う権威にすがりつく。国民の利益より自らの責任回避が公務員でも上へ行くほど凄くなる。本来はこれを打破するのが議員であるが、資本力のない市井の小さな企業など目もくれない。

 戦前から続く、悲しい日本人の性だ。GHQが八木アンテナを差し押さえに来た時、日本政府はこの企業の存在すら知らなかった。レーダー技術の核であるこの技術を。

 しかし、この開発者たちが日本に見切りをつけ欧米で資金を募ればたちまち欧米の技術として市場に出てくる。開発者は、それはしたくないそうだ。「日本の首を絞めることになる」と考えている。日本人だなと思う瞬間である。海外であればたちどころに金になる所に就く。

 日本の市井にはこのような驚くべき技術が埋もれている。これを掘り起こせば技術革新と共に現在抱えている社会的問題も解決の道が開ける。

 明るい話ではないか。要は担当する行政が如何に虚心坦懐に実証データ、公開試験を見るかだけの問題である。それによる失敗は咎めない、向日葵を除染に採用した行政が責任を取った話は聞かないが。東大の専門の先生が言うことだから、行政官には責任はないと言う理屈である。いい加減この体質から抜け出そう。日本の市井には驚くほどの技術が転がっているのだから。

 

コメント
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