海賊対処に従事するためアフリカ・ソマリア沖アデン湾に派遣されていた海上自衛隊の護衛艦「はるさめ」が19日、現地での活動を終え、約7カ月ぶりに母港の佐世保に戻った。
第35次隊として昨年11月24日に佐世保を出港。昨年12月下旬から今年5月下旬までの間、現地で9回、民間の貨物船やタンカーなどを護衛したほか、特定海域を警戒監視した。隊員約180人と海上保安官8人が乗り組んだ。
長崎県佐世保市干尽町の倉島岸壁で行われた帰国行事は、新型コロナウイルス感染予防のため、派遣隊員家族や来賓の出席を取りやめた。中尾剛久・佐世保地方総監が河野太郎防衛相の訓示を代読。「2009年3月以降、この海域での海自の民間船舶の護衛は4千隻を超えた。この間、一度も海賊被害を出していない。国際社会からも高い評価を得ている」と強調した。
行事後の記者会見で、艦長の大島輝久2等海佐は新型コロナ対策として、手洗いや手すり、ドアノブの頻繁な消毒などを徹底したと説明。3月ごろから寄港地への上陸が制限されたものの「隊員は任務の重要性を理解し、趣味の時間や家族と連絡を取ることでストレスをためずに円滑に任務を完遂できた」と話した。