知的障害者・精神障害者について考えよう

知的障害者施設、作業所やA型B型事業所の経験からの投稿にて、この業界に対する世間の理解を深めていきたいと思います。

今日はみんなの給料日

2018年02月16日 | Weblog
昨日15日は、利用者のみなさんの給料日でした。


作業所や施設によって、給料の渡し方は様々のようですが、うちの作業所では、終礼の挨拶前に、直接皆さんに手渡しになっています。


このときの皆さんの表情も様々・・・


素直に喜ぶ人、相変わらず少ないなあ・・・と嘆く人、何も表情を変えずに、もらっていく人・・・。ホントに人によって違うのも面白い時間ですね。




特に、仕事が出来る方々・・・いわゆる授産の工賃(技術的なレベル高い)の多い人は、微妙な表情になっていますね。

それは、給食費(昼食弁当代)や、送迎自己負担分や、人によっては”施設利用料”がやたらと高い方等、その分を差し引くと、結局少額の給料になってしまいます。(私たちが、所得税や保険料や住民税や、その他の税金を差し引かれるのと、同じ感覚なのでしょう。)



世の中、やたらとお金を持っている人がいますね。

税金なんて引かれても、びくともしない方々・・・まあ、羨ましい・・・




世の中の仕事のレベルなんて、それほど大きく変わるとは思いません。それぞれに大変であり、それぞれに社会に意味があると思います。
それでも、大きな所得の差があるのは、結局は資本主義の根本なんでしょうね。


社会的にある一定の(人間的な)生活が出来れば、いいとは思うのですが(まあ、これが生活保護の考えでもありますが)、実際は出来ていない方が多いようですね。逆に有り余る余剰金で、贅沢している方々・・・。今までの仕事の見返り・・・?それほど、他人と違う(何倍もの仕事をこなしてきたのか?)仕事をしてきた結果なのでしょうか?



まあ、この部分は、今の社会の根源的なところなので、複雑な事情もあります。





今回の給料日に思ったことは、障害者の中には、その障害程度によって年金をもらわれている方も多いですね。(家族の中には、それを充てにする”非常識な”方もいるようですが・・・)

それ以外に、今の作業所に通われている方々のように、少ない賃金(工賃)をもらい、細々と生活されている方もいます。



必要経費としては、当然差し引かれるものではありますが、様々な算定基準が、基本前年度の収入になるというのは、どうなのでしょう?

長期に渡り、勤務している期間はいいのですが、最後に退職する翌年や、人によってはリストラや倒産等の悲劇もあり、必ずしも同じ状況(収入)があるとは限りません。


ましてや、障害者の方は、翌年も同じ状況で働いている可能性は、結構少ないものです。

(特に精神の方は、翌年は全く症状が悪化して、働けない状況も見られます。)




それでも、役所は有無を言わさず、前年度はこれだけの収入があったので、今年はそれを元に払ってもらいます・・・的な、ホントに事務処理が目立ちます。

確かに前年度に、芸能人やプロスポーツ選手のように、多額の収入があった方々は、よほど無駄な出費をしていない限り、なんとかなると思いますが(これで破産される方もいますね)、もう少し障害者を含め、低所得者の軽減が出来ないものでしょうか?


もちろん、様々な手続きは出来ますし、ある程度の軽減措置もありますが、そういう部分を除くと、役所的事務的な請求が、公然と行われているのは、今でも釈然としません。



多額(億単位)の税金逃れは見逃しても、少額のガラス張りの低所得者(数万円)は、逃れられません。




うちの作業所に通っておられる精神障害の方が、昨年の夏まで、賃金が1000円程度でした(レベルの高い仕事をされている方です)。それは、その前年度の収入が多かったから・・・ということだそうです(前述しましたが、精神疾患の方では、翌年度も同じ業務が継続出来ているとは限りませんね)。


今現在の状況を把握して、それに対処することは、出来ないものなんでしょうか?




今回の利用者の方の給料日に際して、いろいろ思うことがあった1日でした。
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