評価:★★★★
監督:塚原あゆ子
満島ひかり、岡田将生、ディーン・フジオカ、阿部サダヲ、他出演
映画「ラストマイル」を見た。
Amazonの配送センター(違う)にブラックフライデー開始で普段より多く集まる派遣労働者を
見たところでもう涙目…その後はずっとすごい顔で見てた。
表で動く爆弾とかのストーリーはもはやどうでもいい…。
「ノマドランド」のAmazon配送センターを思い出した。
日本もあんな感じなのか、と衝撃を受けた。
そして問題は何も解決しない。
岡田将生の役もそのうち追い詰められて死にそうじゃん(死にはしないにしても…)。
私は、荷物の配送はもっとゆっくりで構わないし、少し高くなっても、運送に関わる人たちがちゃんと
人間らしく暮らせる給料をもらって欲しい。
そう思っていても、そういう願いを実現する方法が分からない。
Amazonで注文するといつもうっすら申し訳ない気持ちになるんだけど、もっとゆっくりでいいよ…。
どうもすんませんよ…。
みんな「ガラパゴス」や「未明の砦」を読んでヨ。
私は鎌田慧「自動車絶望工場」を買ったよ。読まないんだろうなぁ(読めよ)。
もっとガッチガチにかたーく、くらーく、おもーく、救いのない話の方が見応えありそうだけど、
野木亜紀子とかはエンタメで訴えたい感じなのかね。
その方が多くの人に見てもらえるから。
「アンナチュラル」や「MIU404」のキャストも出てくるけど、それらのドラマ未見でも無問題。
日曜の夜に見るにはしんどい映画でしたわ。
は〜。
映画のストーリーとかキャラがどうのとかとは関係なく、派遣労働者を搾取することで成り立つ社会、
そういう社会で生きる自分を思って、罪悪感とつらい気持ちでいっぱい。
私がつらくなっても、罪悪感を持ってもしょうがないんだけどさ!
それでもAmazonでモノを買うし〜。
ラストマイル、あんまり救いがなかったような…。
配送の人たちの単価は少しだけ上がったけど…。
「未明の砦」の最後に感じたような感覚…。
少しずつしか社会は変えられないけど、現実世界は悪くなるばかりで、映画で地味な救いを見ても、
なんか薄ら笑いしてしまう。
そういう態度は良くないですね。
世の中は劇的には変わらないけど(劇的に変わったら危険)、それでも良くなるように努めないといけない。
でも私にできることがないし、自分のことで手一杯だよ…自分がちゃんと生きていけるかどうかすら分からない。
私は、この映画について言われているようなしんどさ(仕事に追い詰められて死を考えたことが
ある人はしんどいかも、みたいに言われてる)は感じてないんだけど、冒頭で大量に集まる、
作中で名前を与えられない有象無象の派遣労働者に大いに痛手を被った。
私自身は零細自営業者なので、立場はまったく違う(何の保証もない点は同じか)けど、
派遣労働者を搾取する社会に暮らす自分を思ってしんどかった。
憂鬱。
とても憂鬱になった。
映画そのものはそんなに憂鬱ではないと思うけど、Amazon配送センター(だから違うっつうの)に
集まる派遣労働者の姿が憂鬱で仕方ない。
日本は人口減でいずれ諸々の仕事を維持できなくなるし、今のような便利さは無くなっていくよね。
なんか最近さ、道路の木や草がボーボーで見づらいところとかあって、こういうところの手入れも
行き届かなくなって、地方はどんどん荒廃していくんだろうな
とか思うわけ。
明るい未来が見えない。
人口減なら人口減で、コンパクトシティでなんちゃらとか、不動産余って安くなるとか(都会のごく一部だけ
上がり続けるのかな)、なんか良い方向で上手い
ことやっていって欲しいんだけど、日本の政治家と企業と公務員はダメぽだよね(議員や公務員は
国民の反映なので、我々国民が、将来を考えず、目先の自分の金のことしか考えられないということ)。
ラストマイルと関係ない話じゃん…。