佐藤究の「Ank:a mirroring ape」を読み終えた。
面白かった。
佐藤究いいね。好き。
ほっこり、とか皆無で、冷え冷えとした空気が心地よい。ベタベタしたところがない。
似たような暴動の描写が繰り返されるのはちょっとかったるい。
話がなかなか進まないのはこの人の癖なのか。
ドライブかかったように感じたのは7割読んだあたりからだった。
進まなくても面白いんだけどねー。
主人公は孤独でちょっと物悲しくて良かった。
もっとしつこく書き込んで欲しかったけど。
いや結構書き込まれてるか?
主人公は、東京地検特捜部検事だった父親からひどい暴力を振るわれていて、同じく
暴力を受けていた母親が、父親の死後に車で海に落ちて息子と無理心中を図ったけど
1人だけ生き残ったという壮絶な育ち。
家で立ったまま食事をして、誰かと付き合ってもそのスタイルで、食事中に会話も
しないという設定で、自分は全然そんな感じではないけど、なんかシンパシーを
感じてしまった…。
主人公が気の毒で、物寂しいままで終わってしまって、読み終えてちょっと悲しい気分。
アンクの警戒音を聞いて正気を失って暴れる時間が8分19秒(太陽の光が地球に届く
までの時間)というのは話に馴染んでなかったと思う。
鏡は光の認識だからって、なんでそうなるのさ。
分かる人は分かるの??
(そういえばテスカトリポカも鏡でしたね)。
忍者少年は異質だったけど魅力的なキャラだったので、もっと早く出してくれたら
良かった。
佐藤究の作品で残るのは「QJKJQ」。
タイトル覚えられない…。