good day to Die

映画、ドラマ、小説、漫画、音楽についての感想等を
日記代わりに書いておくためのブログです。
ネタバレあり。

「Ank:a mirroring ape」を読んだ

2022-09-23 21:17:00 | 漫画・書籍



佐藤究の「Ank:a mirroring ape」を読み終えた。

面白かった。
佐藤究いいね。好き。
ほっこり、とか皆無で、冷え冷えとした空気が心地よい。ベタベタしたところがない。

似たような暴動の描写が繰り返されるのはちょっとかったるい。
話がなかなか進まないのはこの人の癖なのか。
ドライブかかったように感じたのは7割読んだあたりからだった。
進まなくても面白いんだけどねー。

主人公は孤独でちょっと物悲しくて良かった。
もっとしつこく書き込んで欲しかったけど。
いや結構書き込まれてるか?
主人公は、東京地検特捜部検事だった父親からひどい暴力を振るわれていて、同じく
暴力を受けていた母親が、父親の死後に車で海に落ちて息子と無理心中を図ったけど
1人だけ生き残ったという壮絶な育ち。
家で立ったまま食事をして、誰かと付き合ってもそのスタイルで、食事中に会話も
しないという設定で、自分は全然そんな感じではないけど、なんかシンパシーを
感じてしまった…。

主人公が気の毒で、物寂しいままで終わってしまって、読み終えてちょっと悲しい気分。

アンクの警戒音を聞いて正気を失って暴れる時間が8分19秒(太陽の光が地球に届く
までの時間)というのは話に馴染んでなかったと思う。
鏡は光の認識だからって、なんでそうなるのさ。
分かる人は分かるの??
(そういえばテスカトリポカも鏡でしたね)。

忍者少年は異質だったけど魅力的なキャラだったので、もっと早く出してくれたら
良かった。

佐藤究の作品で残るのは「QJKJQ」。
タイトル覚えられない…。

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「ジェノサイド」を読んだ

2022-09-19 17:46:00 | 漫画・書籍



高野和明「ジェノサイド」上下巻を読み終えた。

面白かったけど、すごく面白いけど、淡々と読んでしまった。
あんまり高揚感はなかった。
面白いんだけどねー。
進化した人類が余裕すぎて、ハラハラ感がないからかね。

我が子が難病に苦しむ傭兵、進化した人類、冴えない大学生が陰謀に嵌められて逃亡、
謎の支援者、アメリカ大統領とその側近等々、ありがちなハリウッド映画みたいなのが
とても良いよ。好きだよ。

研人、イェーガーという2人の主人公?も良かったけど、それよりルーベンス、李正勲と
ハインズマンが良いキャラで好き。
ルーベンスは解説キャラポジで、事態を後追いながら把握していたけど、解説だけではなく
もう少し見せ場があれば良かった。

途中からは決まった流れをこなすだけ、みたいな感じだったから、状況の見えない初めの
頃の方がワクワクした。
エマの指示に従ってればうまくいく、というの、なんかいまひとつ…(指示に従って動くのも
大変なんだけど)。

本筋に関係ないけど、現生人類の残虐さのエピソードとして出てくるコンゴの少年兵のくだり、
他でも似たようなものを読んだことあるけど、凄惨。

高野和明の作品を読んだの初めてだったけど、他の作品も読みたい。
本作も電子書籍化されてなくて紙の書籍を買ったけど、他の作品も電子書籍化されてないね。
作者さんが電子書籍反対なのかな。
電子書籍化してほしい。


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「異常【アノマリー】」を読んだ

2022-09-15 20:35:00 | 漫画・書籍



エルヴェ・ル・テリエ「異常【アノマリー】」を読んだ。

読み始めたら止まれないやら、今年ベストやら、そんな面白さは感じなかった。
無念。
あらすじ検索厳禁!というけど、あらすじを検索しなくても、本の紹介を読むだけで
大体の流れは予想できるよ。

3分の1は複数登場人物の生活を読まされて、群像劇が苦手なのもあり、早く話が
動いてほしいと思いつつ、退屈さを我慢して読んだ。
「異常」な事態が明らかになって話が動いたときは少し面白かったけど、その後は
その「異常」への各人の対応の話で、また退屈に…。

SFテイストがあるけど、プロトコル42なるものは全然詳しく描かれないし、「異常」の
原因に関する仮説もゆるゆるだし、SFではなく、哲学ぽいというか純文学系かね。
もっとSFかと思っていたのが、面白く感じなかったことの原因かなぁ。
自分の読みたいものとのミスマッチ。

あの唐突なラストは何なんだ。
「異常」の原因の仮説からすると、そういうこと…と思うけど、何だかなぁとも思う。

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「脱北航路」を読んだ

2022-09-09 20:28:00 | 漫画・書籍



月村了衛「脱北航路」を読んだ。
大好きな「機龍警察」シリーズの作者。

北朝鮮の海軍軍人たちが潜水艦に日本からの拉致被害者(横田めぐみさんがモデルと
思しき人物)を保険として同行させ、日本への亡命を目指す物語。
北朝鮮からの追手との死闘をくぐり抜け、やっと辿り着いた日本近海で沈没しそうに
なりながら、事なかれ主義&意思決定できない日本という国家にジリジリ。

潜水艦ものは小説も面白いのか。
面白くてあっという間に読み終えてしまった。
でもずっと一本調子で(初めから終わりまでずっとフルスロットル。笑)、読み終えると
何も残らない感じ。
面白かったからいいけど。
艦長のライバルとの対決はわりとあっさりだったね。
もっとケレン味たっぷりにくどく見せてくれても良かったのに。

救助後どうなったか、乗組員の行く末、日本と北朝鮮の関係、漁船や海保の扱い等、
シミュレーション的にもう少し読みたかった。でも蛇足かな。

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「祈りも涙も忘れていた」を読んだ

2022-09-06 20:19:00 | 漫画・書籍



ギスギスした警察小説を求めて、伊兼源太郎「祈りも涙も忘れていた」読み終えた。
伊兼源太郎は「警視庁監察ファイル」3部作をAmazonオーディブルで聞いたばかりで、
本作で4作目。

26歳の新人警察官僚が神戸と思しき神浜市なる架空の都市のあるV県警に赴任し、
管理官として現場捜査官と対立したり、巨悪に立ち向かう話。

序盤の現場捜査官をやり込めるところまでは良かったのに、その先がシャキッとしなかった。
話を大きくしたわりに、終わり方が唐突でバタバタしすぎだし、読者置き去りなので
いまいち盛り上がらない。
肝心なところで主人公の思考を描かなすぎて唐突。
一番ダメなのは、主人公と成海の会話の嘘っぽさというか、あんな会話で魅力を
感じるのか?ということ…人によっては魅力を感じるのか。

作中でラマイオリヒという作家の文章がたびたび挿入されるんだけど、実在の作家なの?
それとも創作?
その文章が結構長いんだけど、興味なくて一切読まずに飛ばしてしまった。
読んだらもっと味わい深かったのか?
バーの場面をカットしても話が成り立ったのでは…
と思ってしまう。
バーの場面なしでは話は成り立たないだろうし、作者はあそこを描きたかったのだろうけど、
どうもあそこがベタベタと感傷的すぎて苦手。
もっとヒリヒリと渇いてギスギスしてほしい。

文句ばかり書いてしまったけど、終盤までは、成海周りを除けば、ギスギスしてて
楽しかったよ。
伊兼源太郎の「警視庁監察ファイル」の皆口も要らないなぁと思ったので(皆口は
主人公並みのキャラだけど)、この人の描く女性キャラが苦手なんだと思う(笑)。
「警視庁監察ファイル」では主人公の幼馴染の弁護士、本作では主人公と大学同期の
新聞記者が出てきて、どちらもとても良いキャラで良い役回りを与えられながら今ひとつ
活躍しないところまで同じで、面白い。もったいない。

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「隠蔽捜査」を読んだ

2022-09-01 22:32:00 | 漫画・書籍



今野敏「隠蔽捜査」がKindle Unlimitedにあったので読んでみた。
主人公の竜崎が、初めは東大至上主義とエリートキャリア至上主義が徹底してて
面白かったけど、やがて大真面目にノブレスオブリージュに基づいて動いているような
ことに感心、後半は立派すぎて感動してしまった。
キャラが立ってて、すっかり竜崎が好きになった。
幼馴染の伊丹や妻、部下もみんな良いキャラだった。
さすが人気シリーズの1作目、読みやすくて、とても面白かった。

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