Amazonオーディブルで相場英雄「アンダークラス」を聴いた。
それなりに面白く聴いたけど、以下、ダラダラと文句をつけてます。
主人公は捜査一課のベテラン捜査官で50歳くらいなのに、派遣労働者や外国人技能
実習生の過酷さを知らないのが、かまとと?みたいに思って、ちょっとしらける。
話の都合で、そうせざるを得ないんだろうけどさー。
前2作で主人公と一緒に動くのは男性警察官だったけど、今回は年下の若い女性キャリア
警察官。
主人公と組むのは若い女性キャリア警察官じゃなく、若い男性キャリア警察官にして
ほしかった。
年上の男性が若い女性に捜査について説くのはマンスプレイニングに見えちゃうし
(普通の指導なんだけど…)、若い女性が男性を「さすが敏腕捜査官」とか褒めるのが
キモく見えるし、途中でその女性キャラが泣いて取調べができないと弱音を吐いて
主人公が叱咤するところでゲェってなる。
主人公が組むのが若い女性でなく若い男性なら、そういう雑味を感じなくて済むはず
(マンスプレイニングは相手が女性でなくても成り立つだろうけど)。
私の偏見のせいかもしれないし、著者の書き振りのせいかもしれないけど、読書で
余計なストレスを感じたくないんだよねぇ。
いくら若くても10年以上やってたら、キャリアとはいえそれなりに分かってるもん
でしょ〜??
そんなに弱っちくないでしょ〜?
あと「震える牛」でもそうだったけど、著者が、古き良き下町の商店街アゲ、均質的な
量販店アンチで、分からなくはないけど、今更そんなこと言ったって、と思う。
私は「古き良き下町の商店街」なるものの経験がないし、そういう人情社会には面倒
くささもあるし、無個性の量販店の良さもあるよねぇ。
そしていつも便利な解説キャラが出てくる。
今回は外国人技能実習生の劣悪な労働実態の解説キャラとしてNPO法人の職員が出てきた。
さらに「ガラパゴス」のスーパー解説キャラのファンドマネージャーが再登場して
ウケた(「ガラパゴス」で2回出てきたのも驚いたのにさらに出てきて、常連キャラか)。
途中で犯人も動機もだいたい分かって、最後に取調べで落とすんだけど、その主人公
アゲパートで主人公側に感情移入してないとイライラする(^_^;)
被疑者が反発して喋り出すとドツボで、何も話さず黙秘せぇよと思う。
話すほどに捜査官に取っ掛かりを与えるし、墓穴を掘ることになるんだよねぇ。
「ガラパゴス」といい「アンダークラス」といい、証拠を処分したとしつこく言ってた
人間が実は確保していてそれを後で使うの、ワンパターンじゃないか。
「アンダークラス」はあんまりテーマと内容が噛み合ってなかった気がする。
必然性がないというか、舞台設定の必要性が分からないというか。
あと被害者が偶然、加害者の情報を持ちすぎダヨネ。
この著者は描きたい社会問題が先に立っているんだろうと思う。