大連立騒動。
私は、小沢一郎氏が民主党の党首の座に就いた時に違和感を持った。
いや、自由党を解散して、民主党に合流したこと自体、違和感そのものだった。
やはりこの人は、「野に放たれた自民党」ではないか?
そう思うのは、小沢氏がまさに自民党の中枢にいた人だからだ。
小沢さんは、「政策原理主義者」だと言われている。自身の考える政策を実現することを第1に考える。
そのためにはどんな手でも打つ。
今回の参院選、民主党は、地方の人、農村部の人たちに、「生活第1」を訴えて、格差社会にあえぐ階層の人々の受け皿になった。
それを先頭になって訴えたのが小沢党首。
「民主党は社会民主主義政党に脱皮する覚悟をしたのか、小沢さんは社会民主主義者になるつもりかしら」と、半信半疑だったが、やっぱりそうじゃなかったみたい。
大連立を呼びかけた側も小沢氏だからだろう。鳩山さんにも打診があったらしい。
どちらも元自民党。しかも世襲議員。
菅直人氏には持っていかない話だ。
小沢さんは、党首辞任撤回の弁で、「不器用な東北人」ゆえの説明不足を陳謝したが、国会議員の子供として、東京で生活してたんじゃなかったかしら?
生粋の東北人とは言えないでしょう。独断専行が東北人の特性だと思われたら、東北地方の人が迷惑する。
ただ、自身の性格として、裏で政治を動かすのが向いていると思っているのだろう。
心臓に持病があるので、「総理の激務」には耐えられないこともあって、マスコミが騒ぐ「総理の椅子」への興味はないみたい。
そんな野心があったら、自民党から出ていかなかった。
自民党にいたほうが、よっぽど可能性が高い。安倍さんや小泉さん、小渕さん、森さんより先に総理になっていたはずだ。
しかし、今回の騒動で、民主党が国民大多数の「受け皿」になる政党ではないことがよくわかって、かえってよかったのでは。
民主党以外の野党と、無党派が協力して、「社会民主主義的」な政治潮流を作る以外に、希望の道はないことがわかったのだから。
今回の大連立の仕掛け人は、中曽根・ナベツネのN・Nコンビだという。
この二人は「老害」の典型。
大連立で、憲法改定。9条破棄が目的だというから、とんでもない不良老人達だ。
孫やひ孫の世代にどんな社会を贈るつもりでいるのか。
明治の世代が大正の世代を戦場に送り、昭和の世代を苦しめたことを思い起こす。
しかし、こんな老人達に振り回される下の世代も情けない、ということになるのだけれど。