裁判員裁判が始まった。
正直気乗りのしない制度だ。
名前は忘れたが『日本の治安』という本を書いた人がゲストのテレビ番組を見た。
よく言われることだが、テレビ報道のにぎやかさとは裏腹に凶悪事件自体は減っている。
やはり殺人事件だの強盗事件だのといった事件が多かったのは敗戦後の昭和20年代。事件は経済状況とリンクしている。
それならば「ワーキングプアー」という働いても働いても暮らせない今の時代状況は事件が増えていきそうなものだが、20年代ほどではない。その代わり自殺者の増加が止まらない。
この本の著者によると、殺人事件のような究極の犯罪を犯した人の方が実は更正率が高い。人が変わったようになるケースが多い。但しその更正を援助してくれる人を得た場合だが。この人材が少ない。
殺人事件は、心の内にためこんだストレスが遂に耐え切れず爆発したということが多くて、「相手は誰でもよかった」というような理由が事件当事者の供述として紹介されるが、かつて家族関係が濃密な時代には、その誰でもの対象が家族に向かっていたはずだという。
だから、殺人事件を引き起こした者に対して、「極悪非道の」とか「情状酌量の余地はない」と断罪できない人の心の複雑さがそこにある。
裁きと共に更正の道を用意しなければ「裁判員裁判」は行き詰る。
正直気乗りのしない制度だ。
名前は忘れたが『日本の治安』という本を書いた人がゲストのテレビ番組を見た。
よく言われることだが、テレビ報道のにぎやかさとは裏腹に凶悪事件自体は減っている。
やはり殺人事件だの強盗事件だのといった事件が多かったのは敗戦後の昭和20年代。事件は経済状況とリンクしている。
それならば「ワーキングプアー」という働いても働いても暮らせない今の時代状況は事件が増えていきそうなものだが、20年代ほどではない。その代わり自殺者の増加が止まらない。
この本の著者によると、殺人事件のような究極の犯罪を犯した人の方が実は更正率が高い。人が変わったようになるケースが多い。但しその更正を援助してくれる人を得た場合だが。この人材が少ない。
殺人事件は、心の内にためこんだストレスが遂に耐え切れず爆発したということが多くて、「相手は誰でもよかった」というような理由が事件当事者の供述として紹介されるが、かつて家族関係が濃密な時代には、その誰でもの対象が家族に向かっていたはずだという。
だから、殺人事件を引き起こした者に対して、「極悪非道の」とか「情状酌量の余地はない」と断罪できない人の心の複雑さがそこにある。
裁きと共に更正の道を用意しなければ「裁判員裁判」は行き詰る。