長野県立歴史館の企画展。「ひめゆり平和への祈り」沖縄戦から65年。
盛況だ。土曜日であり、小中学生は入館料無料。そして「ひめゆり部隊生き残り」の方が当時のことを語るという催しがあったということも影響しているとは思うが、それ以上にこの間の「普天間基地移設問題」で、沖縄戦、沖縄の基地に対する関心が国民の間ににわかに高まっていることを感じた。
沖縄のどの地点から米軍は攻撃し、上陸したのか、それをきちんと知っている日本国民は少ないと思う。
それがパネルでわかると、遠い問題だった「沖縄の基地」がにわかに接近してくる感じがする。
沖縄戦で凄惨な地上戦が戦われている時、日本本土のほぼ中央、長野県の松代では、大本営、天皇御座所、政府機関などの疎開用の地下壕が昼夜敢行で掘られていた。この地下壕完成までの捨石、時間稼ぎが沖縄地上戦の大きな役割だった。
戦後、昭和天皇が長野市にやって来た際、「戦時中、無駄な穴を掘ったというのは、このあたりか」と、おたずねがあったというエピソードが伝えられているが、事実としたら、「それはあんまりなお言葉」と言うしかない。
「あなたのために、皇統とやらの、あなたの先祖からの家系をつなぐために、これほど多くの犠牲、ださなくてもいい犠牲を出したのに」。
それなのにあなたは、敗戦後、自身と自身の家系を守るために「沖縄をアメリカに差し出してもいい。いやそうするしかない」と、沖縄県民に問うこともせず動いたというではありませんか。あんまりです。
そしてアメリカはみずから足を踏み入れ分捕った沖縄は「俺達の領土」という意識があるようだ。
参院選も投票日まであと一週間。
私が違和感を持つのは、学者とか評論家とか、ジャーナリストとか言われる人達の中でも比較的良心的であると思われているような人達が、今現在の民主党政権に寛容だという点だ。
まだ始まったばかりとか、政権を安定させることによって、政策実行させるべきとか言う。
私は「えっ?」と思う。特に菅政権になってからの民主党は昨年の選挙公約などかなぐり捨てて、「市場原理主義の暗黒社会まっしぐら」にひた走っているように見える。この流れはぜひとも止めねばならないのに。
これらの人達は社会の中で恵まれた位置にいるので、感度がやはり鈍いのではと思う。