木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

ドラマ『平清盛』に民主党政権の無能振りを見る

2012年02月19日 | Weblog

NHK大河ドラマ『平清盛』の評判がかんばしくないとか。
やれ画面が汚いだのとまるで自分達の地域の観光宣伝と勘違いした知事発言もあったりして。
清盛を主人公にした大河ドラマはたしか吉川英治原作の『新平家物語』があったと思うが、どんなドラマに仕上がっていたか、見ていないのでわからないが、
私はこの時代の混乱ぶりに対して、朝廷にたむろする公家達が何の方策も出せず、自分達の荘園のあがりさえ確保されれば他はどうでもいいという態度に現在の民主党政権の無能ぶりと重ね合わせられる気がしている。
そこがみんな気に入らないのか。英雄のすっきりした物語を見て、自分が英雄になった気分にでも浸りたい人が多いのか。
私は昨年までカルチャーセンターで「源氏物語」の講座を受講していたが、講師先生によると、源氏物語の書かれた時代、すでに非常に治安が悪く、貴族の屋敷はしょっちゅう放火と盗賊の被害にあっていたとか。
それでも大した対策も取らず、貴族達は贅沢な遊びにふけっていたとか。
警備のための武士を雇うようにもなっていくのだが、武士というものはろくに教養がないので、貴族達は彼らを馬鹿にしていたのだけれど、清盛の父の時代ぐらいから彼ら無しには政治も治安も回らなくなっていった状況をこのドラマは描いているわけだ。
まず権力を握った平氏だったが、公家風にあっという間に染まってしまい、京都と距離を置いた東国に政治の中心を移した源氏により本格的武家政権が誕生したと、これは日本史の教科書の解説だが。
しかしまた室町幕府は政治の中心を京都に置き、あの天皇の権威など否定する勢いの信長でさえ、やはり京都を目指し、天皇の権威を利用した。
天皇とその周辺の権力と財力が決定的に無力になるのは江戸時代に入ってからのこと。
その最後の天皇の権威と文化の集大成を示したのが後水尾天皇の作った修学院離宮だったと、NHKの「美の饗宴」という番組で知った。
京都市郊外の棚田も取り入れた東京ドーム何個分かの広大な離宮。これだけのものを整備する資金はどこから?と番組の間中、それを考えていた。
朝廷の資金源もこのあたりで幕府に抑えられてしまったのだろうか。

コメント
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