木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

トランプ氏よ、戦争だけはしないでほしい

2016年11月15日 | Weblog

米大統領選、トランプ勝利
クリントンが当選すれば今までのウォール街と軍産複合の利益を守る絶望の政治が続き、トランプ勝利ならば、少なくとも「核戦争」は回避されるという観測があったが、当選直後の「私たちの大統領じゃない」という反トランプのデモが続き、トランプが行き詰れば、対外戦争に打って出るしかなくなり、彼ならそうするだろうという観測もあり、一体名もなき庶民はどうすればいいのか。
大差でなければヒラリー陣営が「不正選挙」を仕掛けるだろうという観測があったが、そうできなかったというか、そうしなかったようだ。全てと言っていいマスコミがトランプ不支持に回り、彼らの世論調査では「ヒラリー勝利」と出ており、油断したか。
建国以来の奇妙な大統領選の選挙制度だが、アメリカ国民にとってこんな悩ましい不毛な選択もなかっただろう。大統領選の候補者は都知事選と同様、有力候補の下に何人もいるわけだが、それらに投票しても自己満足に過ぎず、よりましな、より悪さの程度の低い候補を選ぶ選挙になる。
8年前のオバマの時は違った。「チェンジ」、「私たちは(変革)できる」という合言葉が人々の気持ちを燃え立たせた。
しかしオバマの真意はわからないが、共和党多数の議会とウォール街以下の既得権益層に阻まれ、結果、人々の希望を打ち砕くことになった。彼もまた既得権益層に担がれた大統領であった。

バーニー・サンダースこそ民主党候補とするべきだった。
後の祭りだが、サンダースには勢いがあった。この予備選で、サンダース候補阻止のための工作がヒラリー陣営によって仕組まれたという。
悩み、絶望し、怒る中間層が押し出す候補はサンダースであるべきだった。

TPPはグローバル企業が好き勝手できる協定であるというのが本質。
アメリカではすでに企業によって国家が乗っ取られている。「沈みゆく大国アメリカ」の著者堤未果は「回転ドア―」という言い方で、この状態を説明している。アメリカでは有力な企業の社員がなぜか政府の審議委員のような立場に就き、自分達の業界に有利な法案を議会で通るように動き、それが達成されると、元の企業に戻り以前より上の役職に就いて企業活動しているのだという。そういうことを何回となく繰り返す。
このグローバル企業によって、貧困に追い込まれたのが、アメリカの製造業で働く白人労働者達だ。安い海外の労働力を利用するために工場は海外移転し、国内労働者達は職を失った。
TPPはアメリカの製造業を更に追い詰めることになる。
しかも悪魔グローバル企業は「ISDS条項」なるものを盛り込んで、企業の活動に不利益な法律を相手国家が制定して対抗しようとした場合、その国家を国際裁判所に訴えることができるのだ。その裁判所はこうしたグローバル企業に奉仕する連中が仕切れるようこれまた仕組まれている。
自由党の山本太郎議員がこの条項の危険性を国会で正したのに対し、答弁した「死に体の石原一族」の長男伸晃は「そんなことにはならない」と木で鼻をくくったような答弁をしただけだった。
TPPはアメリカで議会承認が困難となり、トランプは自らが「忘れられた人々」と表現した白人労働者の尊厳を取り戻すべくTPPには参加しないと宣言しているが、なぜか安倍政権はすすんでアメリカの奴隷になろうとしている。
TPPと同様の不利な2国間協定を進んで結ぼうとしているのにまだ大半の日本国民は気づいていない。度し難いとぼけようだ。アメリカで起こっていることは日本でも起こっているし、それが耐えがたいほどになるのもそう先のことではない。
とにかく戦争だけはしないでほしい。祈るしかない。

コメント
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