歴史を見ずして(知らずして)韓国・朝鮮叩きをする情けなさ
私は『冬のソナタ』以来の韓流ファンだ。多くのドラマを見た。ドラマではあるが朝鮮近・現代史の一端を知り、それ以来半島の情勢に関心をもつようになった。
この間、戦時中の徴用工として働かされた韓国の労働者が企業を相手取って賠償を求めた裁判で韓国の最高裁が原告の訴えを認めたことに対する日本の政府・およびマスコミの居丈高な態度にはあきれ、あまりの歴史に対する無理解に実に情けない思いがした。
朝鮮人慰安婦に対する謝罪の意味を込めた河野談話(河野太郎外相の父洋平氏が官房長官だったときに政府の責任として発言したもの)、そして村山氏が首相を務めた時にさらに視野を広げてアジア諸国への謝罪の談話、これらの精神は歴史に無知な安倍政権により雲散霧消。
マスコミも追随。日本の7,8割がこれにうなずいているように見える状況だ。
先の大戦の日本国民を批判できない。
私の住む長野市には「松代大本営地下壕」という大戦末期東京から大本営と天皇の住居を疎開させる地下壕の大工事が行われ、敗戦時までに7割から8割の完成を見るまでになり、この大工事に多くの朝鮮人が動員された。延べ7000人とも言われる。請け負った会社は西松建設と鹿島建設。
名簿などは残っていないということになっていたが、最近在住朝鮮人166人の戸籍情報を記した手帳が見つかった。
1965年の日韓条約で解決済みなどととても言える状況ではない。加害者の側は被害者の言い分にその都度耳を傾ける義務がある。
そもそもは韓国併合などといって朝鮮を無理矢理植民地支配下に置いた日本政府の在り方が問われるべきで、報道や政治に携わる者はそれなりの見識(歴史や法律や政治に関する知識と考察)を持っているべきでそれがほぼ失われている日本の今の憂うべき状況である。