(©SEGA、1987)
「懐かしいなあ、会社帰りに100円玉山積みにしてよく遊んだよ。」(50代、男性)
「駄菓子屋のゲームコーナーでよく遊んでたなあ。友達とのハイスコア争いも熱かった。」(30代、男性)
「PCの移植版をパパと遊んだわ。今やっても新鮮ね。」(10代、女性)
――という訳で80年代の懐かしのアーケードゲームを取り上げるこのコーナー、
今日のテーマはセガが87年に発売したベルトスクロールアクション、
「コードオブジョーカー」を紹介します。
○ストーリー
犯罪組織「レゴメノン」に支配された街、「アルカナタウン」。
警察も組織の手下となった今、
街の希望は市民自警団「Arcana Saviors Team」、
通称「AST(アースト)」に託されていた。
アルカナタウンを支配する「レオン大将軍」は、
AST討伐の命を受け、
多数の改造人間からなる討伐部隊を結成。
ASTのアジトを襲撃させたのだった。
レゴメノンに連れ去られた少女「アヤカ」を救うため、
そしてアルカナタウンをレゴメノンの手から取り戻すため、
ASTの精鋭4人は危険な戦いに身を投じるのだった。
○ゲーム概要
当時ポピュラーだったベルトスクロールアクションである本作は、
近未来の都市で悪の組織の改造人間軍団と戦うスタイリッシュなビジュアルが特徴です。
プレイヤーキャラも個性あふれる4人から選べ、
それぞれが特徴的な必殺技「ジョーカー」を持っています。
ジョーカーの迫力ある演出も本作ならではの魅力の一つとなっています。
なお国内では汎用筐体用の2人同時プレイバージョンが主流でしたが、
専用筐体による4人同時プレイバージョンもつくられています。
もしかしたらそちらの方が馴染み深いという人も多いかも知れません。
○基本操作
操作は移動用の8方向レバーに「攻撃」「ジャンプ」「ジョーカー」の3ボタンという、
非常にオーソドックスなものです。
レバーを2回入れてダッシュしたり、
敵に近づいて攻撃ボタンで投げ技を発動したりと、
テクニカルな要素も多いです。
敵を倒すとコインや札束を落とすことがあり、
これは後述の「ショップ」でのアイテム購入の際に消費されます。
プレイヤーにはライフが設定されており、
敵からダメージを受けるとライフが減り、
0になるとゲームオーバーです。
このライフは「ショップ」のアイテムで回復することができます。
必殺技の「ジョーカー」は使用回数に制限がありますが、
道中の敵をほぼ全滅させることができ、
またボスにも大きなダメージを与えることができます。
「ジョーカー」の使用回数も「ショップ」のアイテムで回復可能です。
○主なキャラクター
個性あふれるキャラクター達も本作の魅力の1つです。
ここではプレイヤーキャラと一部のNPCを紹介していきます。
なお本作では国内版と海外版とでキャラ名が違っており、
それも括弧内に併記しています。
・ジン(J)
アルカナタウンで探偵をしている銀髪黒スーツの若い男で、
レゴメノン配下の警察の強制捜査を受けていたところをASTに助け出された過去を持ちます。
全体的にバランスの良い性能ですが、
ジョーカーの初期ストックが4個と他キャラより多いのが特徴です。
ジョーカー「DEATH」は周囲を炎で焼き払うもので、
効果終了後も敵に少しずつダメージを与えられます。
・コウ(COHEN)
ギターを背負ったバンドマン風の青年で、
レゴメノンが制定した音楽禁止条例の撤廃の為に戦います。
ライフは少なめですが
足の早さとギターによるリーチの長さを活かし、
隙のない戦いができます。
ジョーカー「THE STAR」は空から流星を何発も落とすもので、
地面に残った流星を「トラップ」的に運用することも可能です。
・マリーネ(MARY)
ウエスタン風の衣装をまとった少女で、
レゴメノンに滅ぼされた孤児院の仲間達の復讐の為に戦っています。
投技が使えない(緊急回避になる)代わりに、
専用のハンドガンにより遠距離への攻撃が可能というのが特徴です。
ジョーカー「THE MAGICIAN」は突風によるダメージを与えるもので、
障害物を吹き飛ばすことで追加のダメージを与えることが出来ます。
・ガン・ジー(GUN-Z)
アフロヘアーとサングラスが特徴的な元刑事の大男で、
警察がレゴメノン配下となった際に追放された過去を持ちます。
見た目通りのパワーファイターで、
投技によって対象だけでなく周囲の敵にも大ダメージを与えることが出来ます。
ジョーカー「THE CHARIOT」は地面から無数の石柱を突き出させるもので、
敵に近づいて使うほど高威力となっています。
・トキオ(TOKIO)
各ステージ開始時にミッション内容を説明してくれる、
パーカー姿の少年です。
その正体はAST地下に格納された専用コンピュータ上で動くAIで、
続編「コードオブジョーカーS」ではヘリや戦車などでの援護攻撃もしてくれます。
・アヤカ(ALICE)
ピンク色の髪が特徴的な少女で、
ジンとは幼なじみという設定です。
続編ではオペレータとして登場、
トキオに代わってステージ説明をしてくれます。
・タケル(TONY)
先述の「ショップ」を営む少年です。
屋台を引きずって登場し、
ライフやジョーカーを回復するフルーツを売ってくれるほか、
様々な情報も教えてくれることもあります。
続編ではジョーカー「THE DEVIL」を持つプレイヤーキャラとして登場。
小柄な体を活かしたスピーディーな動きとフルーツによるライフ回復が特徴です。
・サヤ(SHIORI IZAYOI)
刀を仕込んだ和傘を手にした少女で、
本作では所謂「永パ防止キャラ」として登場します。
分身やテレポートによってプレイヤーの攻撃をかわし、
刀で一撃必殺を決めてくる強敵ですが、
彼女の分身を時間ぎりぎりまで倒し続ける稼ぎもありました。
続編ではジョーカー「THE MOON」を持つプレイヤーキャラとして登場。
分身やテレポートによるトリッキーな戦法が特徴です。
○ステージ構成
本作は全5面からなり、
それぞれにステージタイトルがあります。
ここではその概要を紹介していきます。
・ステージ1:AST出動
ASTのアジトが襲撃を受け、
アヤカが連れ去られるところからスタートです。
戦闘員達を追って市街地の大通りに出ると、
待ち伏せていた改造人間部隊との戦いになります。
公園まで進むとこのステージのボスであるクモの怪人「アラクノフォビア」との戦いです。
名前の通りクモを思わせる不気味な外見ですが、
攻撃はリーチの割には大振りなのでうまく間合いを取っていけば苦戦はしないでしょう。
・ステージ2:悪徳警官を倒せ
アヤカの行方の手がかりを求めてAST一行が向かったのは、
留置所に無実の罪で多数の市民が拘束されているという警察署です。
警察官の中には既にレゴメノンによる改造手術を受けた者もいて、
事態の深刻さを感じさせます。
最上階で待ち構えるのは現在の警察署長で、
ガン・ジーのかつての上司です。
彼は野獣の怪人「フンババ」に変身し、
巨体に似合わぬ敏捷な動きで一行を苦しめます。
・ステージ3:激走ハイウエイ
「フンババ」を倒したもののアヤカの手がかりはなく、
その間に留置所に拘束されていた市民たちの、
トレーラーによる護送が始まっていました。
市民を解放すべく、
ハイウエイ上でのカーチェイスが繰り広げられます。
車の屋根を飛び移って敵のトレーラーを目指しますが、
当然レゴメノンの改造人間も次々と襲ってきます。
途中トンネルや鉄橋などもあり、
うまく障害をかわさないと一発死もある難所です。
何とかトレーラーを停止させると、
運転手が竜の怪人「ドラゴニュート」に変身して襲ってきます。
空中から炎を吐く攻撃が非常に強力ですが、
足元に死角があるのでそこをうまく突いてゆくのがポイントです。
・ステージ4:研究プラントを破壊せよ
「ドラゴニュート」との戦いの間に、
市民を閉じ込めたトレーラーはヘリによって運ばれてしまいます。
行き先は郊外の研究プラント、
かつてマリーネの孤児院のあった場所です。
ここでは市民たちをレゴメノンの戦闘員にする改造手術が行われています。
手術に失敗しゾンビ化した市民や未完成の実験体などが次々と登場、
個々の戦闘力は低いものの非常に数が多く、
できるだけダメージを受けずに進みたいところです。
プラントの最上階では研究所長である「ドクター・シグレ(Dr. SYD)」が立ちはだかります。
彼は孤児院爆破の実行犯でもあり、
地下に眠るレアメタルの採掘のため、
職員や児童もろとも建物を爆破してしまったのです。
彼は蝿の怪人「ベルゼブブ」に変身し、
無数の蝿と巨大な刀を武器に画面狭しと暴れ回ります。
・ステージ5:突入レオンタワー
「ベルゼブブ」を倒し仇討ちを果たして間もなく、
トキオから緊急連絡が入ります。
アヤカがレゴメノンの一大拠点である高層ビル、
通称「レオンタワー」に運ばれていたことが判明したのです。
直ちにトラックにる強行突入作戦が実行に移されます。
トキオのナビゲーションにしたがってエレベータを次々と乗り継ぎ、
迷路状となったビルの最上階を目指していきます。
道中は改造人間だけでなく以前のステージのボスも登場、
特に「ベルゼブブ」2体のシーンは「ラスボスより強い」という人も多く、
かなりの難所となっています。
最上階では座敷牢に閉じ込められたアヤカをバックに、
本作のラスボスである「レオン大将軍」との戦いとなります。
「サムライ」風の外見の通り長い刀を武器に使うほか、
第2形態ともいうべき屋上での戦いでは、
何とジョーカー「THE TOWER」による落雷攻撃まで使ってきます。
どの攻撃も一撃死なので、
慎重な操作が必要となります。
そしてとどめの一撃を与えるとレオン大将軍は屋上から転落、
それと同時にレオンタワーの崩壊が始まります。
・エピローグ
エンディングではトキオの操縦するヘリが現れ、
アヤカ達を助け出します。
そして崩れゆくレオンタワーをバックに、
キャラ別のエンディングとなります。
ジン:トキオのヘリにジンが乗り込んでいないことに気付き、
動揺する一同。
やがて隣のビルの屋上にサヤを抱きかかえたジンの姿が確認されます。
彼は脱出の際にサヤを助けだしていたのでした。
コウ:レオンが倒されたことでレゴメノンの支配から解放されたアルカナタウン。
音楽禁止条例も撤廃され、
コウは再びバンド活動を始めました。
マリーネ:破壊された研究プラントの跡地に、
彼女は花束を持って現れます。
レゴメノンによって失われた命の為に祈りを捧げ、
改めて孤児院の復興を誓うのでした。
ガン・ジー:レゴメノンの支配から解放された警察に、
彼は新たな署長として迎え入れられました。
そしてジンを新たにASTのリーダーとして任命するのでした。
○まとめ
当時の流通の関係で、
本作の基板の多くは他作品に改造され、
現存しているものはごく少数となっています。
もしゲーセンなどで見つけたときは、
非常に貴重な機会ですので、
一度プレイしてみるのも良いかと思います。
最後に実際のゲーム画面を紹介するとともに、
今回の記事の締めとしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(©SEGA、1983)
※なおこの画像をもちまして、
本日の「M・o・Aちゃんが何か言う」に代えさせていただきます。
予めご了承ください。
――
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