佐川氏 「磁石の希少金属削減」
ドダッカー氏 「別種の白血病薬開発」
科学技術での優れた業績を表彰する「日本国際賞」で、2012年の受賞が決まった佐川真人インターメタリックス社長とブライアン・ドラッカー米オレゴン健康科学大学教授が日本経済新聞のインタビューに応じた。
世界最高性能の永久磁石を開発した佐川社長は「省エネモーターに使われ、役立ったことがうれしい」と述べた。
佐川社長は1982年、ネオジム・鉄・ホウ素からなる磁力の高い磁石を発見し、磁気記憶装置からエアコン、電気自動車など様々なモーターに用途が広がった。「磁石研究の初心者で、当時主流だったコバルトではなく鉄を使うアイデアが浮かんだ」と振り返った。
現在この磁石には希少金属のジスプロシウムを使う。資源調達面の課題とされ「使用量半減にはメドが付いた。5年後に10分の1にするのが目標」と、ジスプロシウム含有量の少ない磁石の開発に意欲を示した。
一方、ドラッカー教授は、不治の病とされてきた慢性骨髄性白血病の発症する仕組みを突き止め、93年にスイスの製薬大手チバガイギー(現ノバルティス)と治療薬の開発に着手した。
候補の化合物が「薬にできるかどうか確信はなかった」が、がん化した細胞にある標的の酵素だけに結合するよう化合物を系統立てて改良。01年米国でママヂニブ」(商品名グリペック)の発売にこぎつけ、分子標的薬の先駆けとなった。
今後の目標として「タイプの違う白血病への治療薬と、飲み続けなくても発症を抑え込めるがん治療薬の開発」を挙げた。
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