以下は、帰属財産 韓国発展の実態、と題して昨日の産経新聞に掲載された成均館大学名誉教授季大根の論文からである。
日本国民のみならず世界中の人達が必読
日本統治時代に築かれた資産は米軍政によって接収され、米軍政に帰属した。
いわゆる帰属財産である。大韓民国樹立とともに新政府に移管された。
朝鮮の総資産の8割といわれる帰属財産がその後の発展と無関係であるはずはなかった。
これに言及したのが『帰属財産研究 韓国に埋もれた「日本資産」の真実』(文芸春秋)だ。
著者は研究の動機をこう記している。ー日本の植民地時代の歴史に対する韓国人の偏見を正すためには帰属財産の実態に関する正しい理解を何よりも優先すべきであろう。
本書では帰属財産の額を朝鮮半島全体で700億円と試算。
その膨大な規模の資産を韓国政府は多くを民間に払い下げた。
帰属財産として接収された日本企業は2400社に上り、いまも韓国企業として残っている。
韓国の発展に大きく寄与した。
朝鮮半島に膨大な資産を残したにもかかわらず、いまなお韓国側の補償要求が続いているのは看過できない。
本書が語る歴史的事実を韓国側に突きつける必要がある。
本書は産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が韓国語著書に感銘を受け、日本語出版にこぎつけたことを付記しておく。
私有財産の経緯 残る疑問
《受賞の言葉》
今回の受賞にあたり、私には心残りがある。
米軍政は民間人財産について、私有財産保護の名目で接収受け付けから除外していたが、3ヵ月後に追加対象になった。
私有財産侵害として帰国した日本人から日本政府に対し、損害賠償請求があったはずだが、どのように処理され、どんな補償があったか、などについて、疑問が残るままになった。
《講評〉
渡辺渡辺利夫・国基研理事
本書では、韓国併合によって朝鮮に持ち込まれた法的な規範や秩序、私有財産制度と市場経済制度こそが韓国に近代化をもたらした主因であることを徹底的な実証研究によって明らかにした。
鉄道、電力、港湾などの建設、重化学工業化を通じ、朝鮮は伝統的な農業社会から産業社会へと転換した。
1930年代に韓国は日本の資本と技術によって、第1次産業革命を経験することができた。
この結果、第二次世界大戦後、多くの途上国よりも飛躍的に発展することができた。
この事実を1次資料の精細な分析によって立証した世紀の著作である。