座間郷総鎮守 鈴鹿明神社ブログ「社務日記」

神奈川県座間市入谷西鎮座、座間郷総鎮守 鈴鹿明神社の神事や日々の様子、神社の豆知識をお知らせ致します。

雨の神様

2018年05月10日 | 神社知識・作法・歴史

ここ数日は5月と思えない寒気に見舞われていますが、今日は更に昼前から雨も降り、時折雷鳴も聞こえてきます。

随分遅れた寒の戻りというべきか、早くやってきた夏の雷雨というべきか、何とも言えない不思議な天気です。

 

私達神職は“自然の事は神様がなさる事”と考えていますが、では雨の神様というのは日本ではどのような神様なのでしょうか?

神話には『淤加美神(おかみのかみ)』『弥都波能売神(みづはのめのかみ)』という神様が水の神様として登場します。

 

古事記に書かれた神話の“国生み”の段での事です。

世界の始まりに地上の多くの神々の父母となったイザナギ・イザナミ二柱の神様ですが、火神であるカグツチを産んだ際に妻のイザナミは身体を焼かれて、やがて亡くなってしまいます。

その時夫のイザナギは怒り嘆いて、原因となったカグツチを自分の剣で斬ってしまうのですが、その剣の柄より滴った血から生まれたのが『クラオカミ』と『クラミツハ』の二神です。

クラは渓谷、オカミは水を司る龍、ミツハは出始めの水あるいは水の精を意味し、『淤加美神』はこの二神を総称した呼び名です。

一方の『弥都波能売神』は、上の続きで身体を焼かれて臥せったイザナミの尿から生まれた神様で、名前は同じくミツハの女神である事を表しています。

 

劇的な場面で登場する神様ではありますが、水の守護神として雨を呼ぶ御祈願・雨を止める御祈願・井戸に関するお祭りの際に私達神職がお呼びかけする神様でもあります。

 ごくかいつまんで書きましたが日本の神話はなかなか奥深いものです。 ご興味のある方は一度読んでみてはいかがでしょうか。