梅の花や金木犀の花、花は姿だけでなく香りによっても季節を知らせてくれますが、この時期になると境内を包むように香る花があります。たびたびこの社務日記にも書いている小賀玉木です。
遠目ではあまり特別なところのない木ですが、近づくと親指の先ほどの黄色い花がほころんでいて、熟したメロンやバナナのような甘い香りを放っています。境内のちょうど中ほどに植わっていますが、風向きによっては境内の端まで香りが届くほどです。
調べるとこれはトウオガタマ(カラタネオガタマ)という種で、日本に古くからあるオガタマノキ(香りは強くない)とは違う種なのだそうです。
少々残念ではありますが小賀玉木は元々謎の多い木のようで、古今和歌集の頃と現代の小賀玉木は同じものではないという説もあると言います。何事も調べてみると面白いものです。