すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

凹んでしまった同僚

2011-03-07 21:10:43 | ひとりごと
 今日は私はデスクワークと、デイサービス利用者の再アセスメントでほとんど出かけずに仕事をした。同僚は今日は認定調査があって朝から走り回っていた。
 彼女は仕事が丁寧で、相手の話も良く聞くのでどうしても時間がかかる。その彼女が、予定時間よりも大幅に早く帰ってきた。こんなことは初めてかもしれない。
 訪問先が留守だったとかではなく、ちゃんと訪問したのだが、調査を拒否されたのだという。取り付く島も無い感じだったようだ。
 彼女はとても表情も声も柔らかく、うちの父などは
 「お前もあれくらいゆっくり優しく話せよ。」
と言っていたくらいだ。もちろん、この仕事をしていると認知症の方もかなりいて、不穏状態などに出くわす事は珍しくない。
 それでも彼女は大抵のお年寄りには受けが良く、まず不穏には当たらない。ホームで仕事をしていた頃、とにかく急に暴れるような人がいて、髪の毛を引き抜かれたり掻き毟られたり噛みつかれたりは結構みんな経験していた。私も手の甲に10年経っても傷が残っている。
 そんなおばあちゃんでも、彼女はクリアしてきた。その彼女が拒否された。しかも
 「私はあなたのようなダラダラ喋る人は嫌いです。」
と言われたのだ。
 彼女の凹み方は半端なじゃかった。自分の何がいけないのかかなり真剣に悩んでいた。そして自分が今までクリアしてきたのは偶然で、自分におごりがあるのではないかとまで悩みだした。
 その辺りが彼女の素晴らしいところだと思う。この仕事は人の言葉の裏を見なくてはいけない。わたしなぞはそのまんましか見えないので、言葉の裏の本当の寂しさや苦しさを見抜けない。その点、本当にそうなの?といつも考える彼女はいつでも相手を思いやる。しかし、その分繊細で傷つきやすい。プライベートでも深読みしすぎて疲れてしまう。
 今夜は彼女は眠れないかもしれない。落ち込む時はかなり落ち込むけれど、お笑いを観て大笑いしてしまえる私の図太さを少し分けてあげたい。同時に見習わなくちゃ、その細かい心を・・・。

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コメント (4)
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