キヨちゃんは友達を作るのが得意である。もともと明るく話好きであるため、キャラさえ把握していれば、楽しい時間が過ごせる。
しかし、娘の私がまだ驚くことがあるのだから、友人知人に到ってはその何倍もあることだろう。
ある日共通の知人に呼び止められた。
「ちょっと、お宅のキヨちゃんっちゃ!」
あ、何かやらかしたな・・・と思いつつ話を聞いた。
その日キヨちゃんは店先で熱心に花を見ていた。声をかけてきた知人にキヨちゃんはつぶやく。
「きれいけどなあ、なんぼ(いくら)するんだろ?」
「ほな、聞いてきてあげるわ。」
そう言って彼女は、親切に花の値段を聞きに入り、戻ってみるとキヨちゃんがいなくなっていたというのである。そう。そのわずかな間にバスに乗って帰ってしまったのである。
「ごめんよ。お母さんはいつも言いっぱなしなんよ。」
そうなのである。だいたい耳が遠いこともあり、こっちの答えは待っていないことが多いのだ。我が家で質問を投げかけられ、答えようとすると姿がなく、
「おーい。言い放しかい」
と突っ込むことは日常茶飯事である。
父の通院に付き添ったりすると、ドクターの説明に誰よりも熱心に大声で
「はあ!へえ!そうですかあ!」
と受け答えするのだが、実のところ全く聞こえていない。
家でいても夜トイレにしても風呂にしても、入っていると必ずと言っていいほど電気を消される。一応いるかどうか
「おるん?」
と声掛けはしてくれるのだが、答えは待たずにパチンとやるのだ。
こっちも十分承知しているものだから、キヨちゃんの気配を感じるとすぐに
「入っとるよ、入っとるよ。」
と叫ぶのである。そうすると決まって
「知っとるわ。うるさいなあ。」
と言われてしまうのである。全くどうしろというのだろう。
しかし、娘の私がまだ驚くことがあるのだから、友人知人に到ってはその何倍もあることだろう。
ある日共通の知人に呼び止められた。
「ちょっと、お宅のキヨちゃんっちゃ!」
あ、何かやらかしたな・・・と思いつつ話を聞いた。
その日キヨちゃんは店先で熱心に花を見ていた。声をかけてきた知人にキヨちゃんはつぶやく。
「きれいけどなあ、なんぼ(いくら)するんだろ?」
「ほな、聞いてきてあげるわ。」
そう言って彼女は、親切に花の値段を聞きに入り、戻ってみるとキヨちゃんがいなくなっていたというのである。そう。そのわずかな間にバスに乗って帰ってしまったのである。
「ごめんよ。お母さんはいつも言いっぱなしなんよ。」
そうなのである。だいたい耳が遠いこともあり、こっちの答えは待っていないことが多いのだ。我が家で質問を投げかけられ、答えようとすると姿がなく、
「おーい。言い放しかい」
と突っ込むことは日常茶飯事である。
父の通院に付き添ったりすると、ドクターの説明に誰よりも熱心に大声で
「はあ!へえ!そうですかあ!」
と受け答えするのだが、実のところ全く聞こえていない。
家でいても夜トイレにしても風呂にしても、入っていると必ずと言っていいほど電気を消される。一応いるかどうか
「おるん?」
と声掛けはしてくれるのだが、答えは待たずにパチンとやるのだ。
こっちも十分承知しているものだから、キヨちゃんの気配を感じるとすぐに
「入っとるよ、入っとるよ。」
と叫ぶのである。そうすると決まって
「知っとるわ。うるさいなあ。」
と言われてしまうのである。全くどうしろというのだろう。