すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

墓参り

2009-02-28 23:10:48 | ひとりごと
 先日立ち寄った店で、知り合いのおじさんに会った。おじさんはお昼ご飯の最中で、私が挨拶すると笑顔で応えてくれた。
 「おっちゃん、最近ことうないで?(だいじょうぶ?)」
 「おお」
何気ない日常会話。その途中、おじさんはキヨちゃんの話をした。
 「おまんの母ちゃん、毎日墓参りしよんじゃってなあ。」
 それは、父の墓参りをするキヨちゃんの事だった。キヨちゃんは父が亡くなってからほとんど毎日墓参りをしている。片道30分、いい運動になる・・・と楽しげに通っている。休みには私も一緒に行くのだが、普段はキヨちゃんひとりだ。
 「雨の日も、風の日も、休まんらしいじゃないか。」
近所中の人が知っていることだ。ちょっと照れくさそうに頷いた私は、次の言葉で固まった。
 「そんなことしよったら、おやじ成仏できんぞ。」
 一瞬何を言ったのか分からなかった。それでもすぐに笑顔で
 「父ちゃんも、さすがにもう向こういっとるわえ。」
と切り返したが、おじさんは続けた。
 「いや、わしが言うんじゃないんぞ。そう言う人もおるけん、止めてやったほうがええ。」
 人というのは、何をしても何かしらは言うのだな・・・と思った。もし、本当に墓に日参することがいけないことなのなら、あるいは控えなければならないのかも知れない。しかし、キヨちゃんの生き甲斐であるのだから出来れば続けさせてあげたい。
 もし、キヨちゃんが毎日墓で
 「なんで死んだん!」
と泣き暮らしているのであれば、私も止めたに違いない。しかし、毎日父と話をするだけのために行っているキヨちゃんを止めようとは思わない。
 信心とか供養とは一体なんなのだろう・・・。


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ゆ・い・ご・ん

2009-02-26 20:03:06 | じいとんばあ
 じいやんが 死んだとき
 時々 夢枕に立った
 いつも 穏やかで ただただ私の頭を撫でた

 じいやんは 死ぬときに
 みんな一人一人に
 それぞれ言葉を残して 旅だった
 私には 受験がんばれよ・・・と

 父さん 父さんはほとんど夢に出ないけど
 それは 満足して 安心してるからだって
 人はそういうけれど
 時折 見せる夢の中では
 父さんが 死んだのではなく
 嘘だったんだ ちゃらだったんだ
 そう思わせてしまう

 父さんと交わした最期の言葉が
 遺言でも何でもない
 ふつうの さよならだったから
 私の中で 煮え切らないのかな

 ゆうべ 久しぶりの父さんは
 唇に 血をにじませていた
 ハンカチで ぬぐう私に
 「思うように 生きよ」と言った

 あれは あなたが言いたかった言葉ですか
 私が 聞きたかった言葉ですか


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動画はどうかなあ

2009-02-25 23:16:34 | ひとりごと
動画を添付してみたくてチャレンジしてみた。しかも初めて携帯からの投稿o(^o^)o
果たして大丈夫なのかな?
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若い頃のキヨちゃん

2009-02-24 21:32:29 | うちのキヨちゃん
 四十路ともなると、あらゆるところに衰えを感じる。だいたいが若い頃から美人だったわけでもないのだから、がっかりすること甚だしい。
 四十路でそうなのだから、80近いキヨちゃんは衰えには敏感である。二人でテレビを見ていると、どうしてもモデルや女優の美しさに目がいく。
 「まあ、きれいな髪!母ちゃんも昔はカラスの濡れ羽色って言われて、量もたっぷりあったのに、今では白髪でやせてしもうた・・・。」
シャンプーのコマーシャルのサラサラロングヘアーにため息が漏れる。写真でしか見たことがないが、若い頃のキヨちゃんは確かに黒髪を長い三つ編みにしていた。
 そして、かわいい歌声を聞くと
 「ええなあ。かわいい声じゃ。母ちゃんも昔は鈴が転がるような声じゃと言われとったけんど、今はこんなしわがれた。」
これに関しては証人も証拠もないので定かではない。
 さらに化粧品のコマーシャルの小雪さんやふかきょんのお肌。
 「まあ。きれいなお肌しとるなあ!つるつるじゃなあ。母ちゃんも若い頃はもち肌じゃったのに、今は皺だらけになってしもた。」
 私も一緒になって「いいないいな」を連呼していたとき、モデルさんの美しい背中が大写しされた。
 「母ちゃん見て!きれいな背中!ええなあ・・・。」
うっとりとつぶやく私にキヨちゃんは、しばしの沈黙の後こう言った。
 「いや、母ちゃん背中はまだこのくらい綺麗!」
・・・・。その自信と確信はどこからくるのだ。そもそも自分の背中って見えるのだろうか????恐るべしキヨちゃん。

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ガラスの仮面

2009-02-22 20:06:45 | ひとりごと
 先日「エンタの神様」という番組だったと思うが、エドはるみさんのネタに「ガラスの仮面」があった。
 彼女が「北島マヤ」を演じると言うだけでも、つぼであったが一番うけたのは
 「月影先生!いつになったら紅天女をやらせてくれるのですか?先生がなかなかきめてくださらないから、私40になりました。」
という台詞である。
 「ガラスの仮面」を連載当初から読んでいる読者は、それこそ四十路になっている。連載開始は昭和51年である。ラーメン屋に住み込みで働く親子という設定が不自然では無かった時代だ。
 サザエさんやドラえもんのように絶対的に年を取らない漫画(アニメ)はあるが、一応この漫画は成長する。高校に入って卒業してプロにもなり・・・。しかしおそろしく時間の流れが遅いのである。
 美内すずえ先生はもともと遅筆である。学生の頃早く書き終えて貰えないと、年を取ってしまうと思った物だ。最近また連載が再開された。今後に期待したい。
 どうか、50になる前に紅天女を、最終回を見たいものだ。

 ちなみに・・・途中で止まっていると思われる「悪魔の花嫁」(あしべゆうほ?)ってどうなったの?「王家の紋章」ってまだ続いているの?
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荒唐無稽な夢

2009-02-21 09:32:28 | ひとりごと
 夢をよく見る・・・という話を前にも書いた。引っ越しをよくするとか、旅にでるとかである。
 そんな中でもかなり荒唐無稽な夢を見ることがしばしばある。
 昔信じられないくらいカラーの夢を見た。カラーと言っても、蛍光色である。庭の花畑が一面蛍光色で
 「あ・・・世紀末だ。死んじゃう。」
と思ったものだ。今世紀末を越えて21世紀にいるなんて信じられないくらい昔の夢だ。
 田舎の汽車に乗っているのに、途中からジェットコースターみたいに渓谷を縦横無尽に走る夢も見た。
 お天気の悪い海。荒れた海にたくさんの海女さん。その海女さんが蛍光灯を1本ずつ持っていて、稲妻が走ったらぶわ~んって蛍光灯に虹のような光がかかる。そしてそれに引かれるように空高く上がっていく。みんな途中で手を離して海に戻るのに、どうしてもタイミングが計れずにとうとう見えなくなってしまう海女さん・・・。怖かった。
 自分で国道を運転している。霧が深くなってくる。霧と言っても白くなくて、まるで闇が襲ってくる感じだ。ついには何も見えなくなるのに、車を止められずめくらめっぽうに走る。
 先日は夜の海を渡っていた。必死にこぐのだけどほとんど進まない。私がこいでいるのは船でもボートでもない。何故か荷物を運ぶ台車(笑)。沈まないのが奇跡だ。
 ストレスなのだろうか。疲れているのだろうか。こんな夢、見ないですよね????


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ごちそうさまでした

2009-02-19 19:06:16 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんはあまりテレビを見る方ではない。つけているから見るけど、見たいものは決まっている。だいたい気にいって見ようとしても、途中うとうとするのだからなかなかストーリーが把握できない。
 そんな中で最近ふたりで見るのが、朝の連続ドラマである。15分という短い間に話が進むのでキヨちゃんにも着いてこられる。
 それでもその短い間にストーリーを面白くしなければならないので、どんどん問題が出てくるので人物関係などよく質問される。
 「この人とこの人は姉妹?この人が親?」
 「この人は今再婚しとるん?」
 「この人はあの人が好きなん?でもこの人はこの人が好きなんよなあ。」
 「ええ?別れたこの人もこの人が好きなん?」
 「ほれ、いかんわええ。奥さんかわいそうじゃ。」
 「溝が出来たら、修復難しいでよ。」
こんな調子で、朝から質問責めに会う。そしてドラマが終わると私は出勤となる。
 「ああ、今日も終わった。」
と私を送り出しながらキヨちゃんはこう付け加えた。
 「ややこしいなあ。母ちゃんみたいに父ちゃん一筋やったら、ドラマにならんのに。」
・・・・。はいはい、ごちそうさまでした。


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バレンタイン色々・・・

2009-02-17 21:57:39 | ひとりごと
 12日キヨちゃんの通院の後、ふたりで父のチョコを買った。お店にはものすごい数のチョコが並んでいた。自分の分も買えば良かったと思うくらい、いろいろあって目移りした。
 親戚の子供に買ったが、最近の子供は物にありがたみがない。この子の親たちはそれこそ飛び上がるくらい喜んでくれたのだが、徳島弁でいう「ほうほうして育てられた(甘やかされて)」子でもあり、特に感動もない。ばあちゃんも代わりに御礼は言ってくれるが、言うようには促さない。つい
 「何かいうことないか?」
と怖いおばちゃんになる。
 「え・・・?ああ、ありがと。」
ゲームの合間にちらりと見て言う。
 会社には義理というより友チョコを買い、みんなで食べようと持参した。同じ事務所にはひとりだけ男性がいるが、同僚が
 「すずちゃんからチョコ貰ったので、食べてね。」
と言うと
 「ええ!みんな食べよったけど!」
と言う。つまり自分が貰ったチョコをみんなが食べたと誤解。同僚はあわてて
 「いや、みんなに友チョコって・・・。」
と付け加えた。
 男の人は義理でもチョコを期待する物なのだな・・・と、それこそ私の方が腰砕けるほどびっくりして、ついでに大笑いした。
 お世話になっている人へのプレゼントに、紳士服の店で品物を見ていると去年は父の服を買ったことを思い出す。父の御用達でもあったので
 「お父様は・・・」
と聞かれる。他界したことを話すと
 「そうですか・・・。よくプレゼントされてたのに・・・。」
と言ってくださった。
 来年のバレンタインデーはどうなるだろう。少なくとも今年よりはいい日であって欲しいな。

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酔っぱらい?

2009-02-15 22:15:09 | ひとりごと
 政治的なことはここでは書きたくない・・・と前にも書いたが、どうしても我慢ならない。
 何だ?この記者会見は?と見た人はみんな思ったのではないだろうか。そう、G7の後の中川さんの記者会見だ。
 質問をした記者を捜し
 「どこだ?」
見つけると
 「おお」
・・・。この時点で、なんて横柄なのだ・・・と思ったが、話はしどろもどろ、目線も定まらない。どう見ても酔っぱらいである。
 会談の席でお酒でも出たのだろうか?それにしても酩酊するほど飲むはずはない。よほど体調が悪いのか・・・、だとしたらこれは半端ではない状態だ。だれも止めなかったのだろうか。
 仮に本当に体調が悪かったのだとしても、これでは世界に大きな誤解を招く。もし、これが本当に酔っぱらいだったとしたら許せない。
 この国には、お年寄りも子供も預けられない。そんな悲壮感が漂ってくる。

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ノンちゃん雲に乗る

2009-02-14 10:33:57 | ひとりごと
 先日キヨちゃんの受診の帰り、買い物した店でCDを衝動買いした。「崖の上のポニョ」でお馴染みの大橋のぞみちゃんのアルバム「ノンちゃん雲に乗る」である。
 ノンちゃん雲に乗るは児童文学で、その昔(って言ったら失礼?)鰐淵晴子さん主演で映画にもなっている。当然この映画は生まれる前の作品なので知らないが、テレビでちらりと見た記憶はある。
 大橋のぞみちゃんの愛称も「ノンちゃん」なので、このタイトルでアルバムを作ったらしく、歌もこの作品へのオマージュをこめて新たに作詞したらしい。
 のぞみちゃんは正直天才的な歌唱力を持っているわけではない。歌の上手い子供なら他にいくらでもいる。しかし、何故だか心に響く。テレビでちらりと「ノンちゃん・・・」を聞いたときに、メロディのせいもあるが、すごくノスタルジックな気分になって胸に堪えた。
 アルバムは私たち世代には懐かしい曲もたくさん入っている。子供のいる人なら小学校の卒業式に定番となった曲もある。(私たちの頃は蛍の光しかなかったけど・・・)懐かしいアニメソングや、キャンプで歌った歌などもある。

1・・・ノンちゃん雲に乗る
2・・・思い出のアルバム
3・・・さんぽ(となりのトトロより)
4・・・おしえて(アルプスの少女ハイジより)
5・・・ケータイがほしい(オリジナル)
6・・・草原のマルコ(母をたずねて三千里)
7・・・黒ネコのタンゴ
8・・・大きな古時計
9・・・ミミちゃんとパンダコパンダ(パンダコパンダより)
10・・・今日の日はさようなら
12・・・崖の上のポニョ

 どうだろう?どの世代でも必ず知っている曲がいくつかはあるのではないだろうか。黒ネコのタンゴあたりならキヨちゃんでも歌える。
 年齢のせいかな。最近「母」の感覚で見てしまうのか、こういう素朴で素直な歌声にやられてしまうのである。

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