くりりん、帰宅。

　今日、くりりんが夕飯に間に合うように帰ってきた。
　何だかんだ気になるのか、キヨちゃんは昨日、
「くりちゃん今夜遅いのか?」
と聞いていた。私が先に夕飯を並べたからだろう。
「いや、明日なんよ。　」
と伝えると納得した。
　今日は窓拭きと炊事以外はキヨちゃんと、テレビを観てまったり過ごした。
　すると、途中キヨちゃんが、
「くりちゃんもんたん（戻った）違う?ただいまって聞こえた気がする。」
と言う。
　時間的にまだ全然帰り着く時間じゃ無かったのだが、びっくりしたのは、直前にくりりんから、
「今○○で休憩。」
と途中経過のラインがあったからだ。
　案外ただいまって聞こえたのかもしれない。
　って言うか、それは妻の私が感じなきゃアカンやろ（笑）

※　アサリバターと鶏のさっぱり煮

　　　　　

　　　　　

雪が残り、まだちょっと寒い。

　昨日の雪はたいした降りでは無かったが、山頂部はずっと白いままで、日が当たっても寒い日だった。

　　　　　

　お休みだったのだが、月末どうしても気になる事があり、確認の為だけにちょっと出勤。それから買い物に行き、お昼過ぎに戻った。
　魚が安く売られていたのだが、魚には詳しくない。多分、昔のキヨちゃんなら持って帰ればテキパキ捌いてくれたろうが、今は期待できないし、私は得意ではない。
　結局何の魚か分からない魚は無視して（単に私が知らないだけ）、真サバ２尾500円を買った。
　家に帰り、買ったものを小分けして冷凍した後、鯖を捌いて味噌煮にしようと材料を揃えた。そこで日本酒が大さじ４杯しか残っていない事に気づく。おいおい、てことは、昨夜夜中か今朝私が出掛けた午前中って事じゃないか。
　さすがにこれはまずいと思い、
　「母ちゃん、日本酒が無い。なんぼ言うても飲みすぎ。」
とキヨちゃんに注意した。すると
　「母ちゃん飲んどらん。」
と言う。しかし、他に無くなる理由が無いのだから、指摘すると開き直り、
　「飲んでいかんのなら、あそこに置くな。」
ときた。
　「無かったら買いにいくでないで。」
　「もうええわ。飲まん飲まん。」
とどくれるキヨちゃん。困ったもんだ。隠れて飲まないように観ておかないと・・・。
　昼は、
　「何かうまいもん食べたい。」
というリクエストに応えて、海鮮チラシの小さい物を買って来た。
　今夜はサバ味噌でご飯を食べた。ま、酒があればもっとってメニューではあるかな（笑）。果たして、少しは控えてくれるだろうか・・・。

　　　　　

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雪になりましたが・・・。

　一気に春になりそうな暖かな日が続いたかと思えば、今日は寒い一日だった。雪になるとは聞いていたが、本当に雪雨になり、山間部は薄っすらつもりシャーベット状になった。
　昨日は夕方会議があったので、どうしても定時では帰れない日だった。くりりんは午前中に出発したのだが、その車でキヨちゃんはカットとカラーに。当然、そこまで行ったのなら、酒買って帰るだろうな・・・とは思っていた。定時で帰れないと気も急くが、キヨちゃんには会議の事を伝えて出掛けた。
　さて、大急ぎで戻ってリュウにおしっこさせて、餌は・・・と思ったら、キヨちゃんがやってくれていた。上出来上出来。更に、お風呂も準備しようと思ったらしいが、しばらくしない内にお湯を張るだけの手順に迷いが出て止めたらしい。
　くりりんも私もいない夕方、炬燵に転がるキヨちゃんは、ただいまの声掛けに、
　「母ちゃん、うつ病になったかもしれない。」
などと言う。当然なるはずも無いが、
　「どしたん？」
と聞くと、
　「新聞で可哀想な記事を見たら、母ちゃんも鬱になりそうだった。」
と言う。あ、これは可哀想な記事を当てに飲んだな・・・。
　案の定、前日ほぼ飲みきっていた、つまり100ｃｃくらいしか残っていなかった日本酒パックはゴミ箱に入り、新しい物がちょっと呑んで減った状態で入っていた。
　まあ、当然鬱じゃないのだから、夕飯を準備して「ＶＳ魂」をかけると、
　「これおもっしょいんじゃ～。」
とご機嫌になった。相葉くんありがとう・・・。
　そして、今日。私は１時間半早く出勤した。残業が出来ないので、早く行って仕事だ。そう、朝早く出て行く分にはキヨちゃんは不安にならないのだ。いつもより早い時間のお散歩にリュウはちょっと戸惑ったが、それでもお利口さんにしてくれた。
　雪も降った今日は寒い一日。定時で戻ってみると、キヨちゃんがお風呂にお湯を入れていた（途中）。
　「やり方がおおとるか（合っているか）観てくれ。」
と言う。まあボイラーのスイッチを入れて、お湯の蛇口と水の蛇口をひねるだけだが、しっかりしていた頃でも水道の湯と太陽熱の湯というダブル湯で熱湯になっていた時があったので、すぐに観に行く。幸いちょっとぬるめで入っていたので、一旦止めてキヨちゃんが入る前に調整した。
　日本酒は半分ほど減っていた。５合弱かな・・・。でも、ご飯もよく食べたし、お風呂にも入ったし、機嫌も良いので今日は合格である。

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仕事だけでなく、何とか乗り切らなくてはならない月末・・・。

　コロナ禍で交流や移動の自粛を強いられる今の時期だが、明日からくりりんが４日間実家に帰る。それは、亡くなったお父様の法事である。
　年月から言っても本当に家族とご住職だけで行う法事であるが、くりりんは長男であり、ここは帰してあげたい。その代わり、十分な対策をくりりんも考えている。
　元々くりりんは几帳面で、花粉症の事もあるが、コロナより前から戻ったら手洗いうがいは勿論、顔も頭も洗って着替えないとダメな人である。それだから対策については心配はしていないが、念のために戻ったら私もキヨちゃんも暫くは注意しよう。
　さて、キヨちゃんであるが、禁酒していたのがどうやらちょっと呑み始めたようだとは以前に書いた。しかし、機嫌は悪くないので、つまり悪いお酒にはなっていないので、静観しているが、コロナが心配で通院していないので、血液検査がどうなのかだけは心配している。
　そして、ちびちび飲んでいたはずなのだが、今日戻ってみると、昨夜８割がた入っていた２リットルの日本酒がほぼ空になっていたのだ。・・・・まじか？
　そしてそして、お酒のせいなのか、あるいは年齢のせいなのかここ最近の「ぼけぼけぶり」も心配だ。
　今日は元々デイサービスの日だった。ちょうどリハビリと重なるので、日を変えて貰った。その事は説明していたし、その時は何も言わなかったのに、昨夜いつも頼んでいるおじさんに、畑仕事の依頼をしていた。
　「母ちゃん、明日デイでよ。」
と言うと、
　「母ちゃんデイは当分行かんと言うてある。」
と言う。代表のおばさんに行ったのかと聞くと、
　「〇〇ちゃんは電話してくるなと言うけん、せん。」
と言う。いや、出席はともかく欠席は言わないと困るだろうし、電話するなとは言わないはずだ。そして、
　「職員の〇〇さんに言うてある。」
と言う。勿論これも嘘である。
　とにかく、デイに休みの連絡をしたのだが、今日仕事中に、
　「リハビリさん来ない。」
とキヨちゃんから電話。それで、また説明。
　そんな状態であるが、今日などは一日畑やら芝生刈りやらに人が来ていてお茶を出したり、話をしたりしているのだし、夕方くりりんが帰るまでその人はいた。一体いつ飲んだのだ２リットル近く・・・。
　夕方になると寂しくもなる。だから早朝仕事に早く出ても残業はほぼしない。しかし、明日は会議があるのでどうしても定時には無理だ。４日間、キヨちゃんを一人で見守る事が出来るだろうか。
　仕事だけではなく、乗りきらなくてはならない月末はこれである・・・。

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色々と達成感のある日

　今日はとても良いお天気だった。お休みで、お天気が良くて、用事が無い（つまり出掛けるとか、通院とか）そんな日は滅多にない。こんな日こそ、普段出来ない事を頑張らなくては。
　そうでなくても、ちょっと寒いとサボり癖が付いて、それにリュウの通院だ、キヨちゃんの通院だ、用事だと出掛けると、ほぼ一日終わってしまうし、残った時間はダラダラしてしまう。
　今日にしても、この辺りはお天気が良くても太陽が顔を出す時間は遅いので、スタートは遅れる。まずはキヨちゃんのリネンの洗濯から始めた。それから靴を洗う。日が差してきたら、キヨちゃんの布団、マットレス、スプリングマット（これ引きずらないと運べないほど重い）、カーペットを全部干した。
　そしてキヨちゃんの部屋、台所、離れの拭き掃除。残念ながらくりりんがひどい花粉症なので、私たちの物は桜が咲くまで干せない。リュウも久しぶりに庭に出して一緒に遊んだ。
　少し休んで窓ふきをしようかな・・・と思っていたら、親友ナースから仕事がらみの電話。
　「誰からぞ？」
とキヨちゃんが聞くので、告げると、
　「大根採りに来いと言うてやれ。」
と言う。
　と言う事で昼から親友ナースがやってきたのだが、久しぶりに家族一緒に来てくれた。もうキヨちゃんは大喜び。
　「お父さん（親友ナースのご主人。小さい娘さんがいるのでそれにならってそう呼ぶ）、お酒飲むかえ？」
って、絶対「お相手」したいに決まっている。
　「いやいや、これから買い物に行くし、昼からは・・・。」
とご主人。
　「〇ちゃん（親友ナース）に運転してもろうたらええでえ。」
とあくまで飲ませたいキヨちゃんだが、そこは阻止した（笑）。
　いつの間にか私と変わらない背丈になったチビちゃんは初めての大根収穫。そしてリュウと遊んで、ヤマガラに餌もやった。しばし楽しい時間を一緒に過ごし、家族は買い物に出かけた。
　「コロナが終息したら、また二家族みんなで焼き肉したりしようね。」
と話しあった。
　ピーカンの空に月が出ていた。

　　　　　

　疲れたが、達成感のある日だった。

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たんぽぽ先生の講義

　何だかんだ忙しい月末。そして積雪や凍結があるほど急激な寒の戻り、そして急な暖かさ。若い者でも体調を崩しそうだ。ましてや高齢者。ここ数日、救急搬送だ、入院だ、緊急ショートステイだと、次々体調を崩す方が続き、スタッフと話をしていても、どの方の話だ？と一瞬考えるほどだった。やってもやっても追いつかないデスクワークをそっちのけで、とにかく対応に追われる時、自分の無力さを感じるとともに、わ～っと投げ出したくなる気分になる。
　そんな今日、オンラインで研修があった。いつもなら、この時期に？この月末に？とどんなにいい研修でも、必要な研修でもその時間に訪問したいなどと思ってしまう。
　しかし、１年待ちの今日の研修はとても素晴らしかった。
　それは、ゆうの森たんぽぽクリニックの永井先生の講義である。先生は４５歳でわずか４人のスタッフとへき地医療から今のクリニックを始められたらしい。その取り組みは本当に素晴らしく、地域に根差し多職種協働で在宅医療、そして看取りを行われている。
　講義の中で実例として３例ほど動画があった。入院すると点滴になる事はごくごく普通の事だと思っていたし、食事を取れない時、身体に水分が入れば楽になるものだと信じて疑わなかった。しかし、過ぎる水分は食欲をそぎ、浮腫を起こし、決して良い物ではないと知った。
　父の時に点滴は必須だった。食事が摂れず、食事をする事が苦痛だと父は言った。苦痛だという父に食べて欲しいと懇願していた私である。もしかしたら、点滴を抜いていたら食べられたのかもしれない。
　動画の中で、食事が出来なかった人が美味しそうに食べる姿や、大好きなビールを飲む姿は胸に刺さり涙が止まらなかった。
　そして素晴らしいのは、食事出来なかった人を食べられるようにして在宅に返しましたというだけではなく、家に帰っても家族が困らないように、帰ってからも一丸となって最後まで一緒に寄り添うという所だ。
　簡単な事では無い。理想だけでも成り立たない。それを現実に行っている所があるという事に感動を覚えた。
　自分がケアマネとして、在宅の担当者様にこれほどに寄り添える自信はない。しかし、今後キヨちゃんを介護する時には、父の時よりももっともっとキヨちゃんに寄り添ってあげようと思った。感染症があって連れて帰れなかった後悔がある。キヨちゃんがもし介護が必要になったり、看取りが必要な時期が来たら、在宅で、キヨちゃんの大好きなこの家で過ごさせてあげたい。


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工事終了

　昨日、塀からフェンスへの取り替え工事が完了した。

　　　　　

　ブロック塀のクラップやズレを発見してから気が気でなかったので、ようやく安心出来る。後は支払いをして、一部災害対策の給付金を待つだけだ。
　裏山が崩れた時には、住宅の真裏で無かったので、対象では無かったが、今回は塀が崩れたら車道を通る車にも影響がでるので、僅かでも給付金が出るのは有り難い。
　朝から今日は雪である。気温差がコロナで無くても高齢者には堪える。この時期、体調不良や入院が相次いでいる。
　そして、もし今クラスターや市中感染があったらと不安しか無い。対策を話し合ってはいるが、たださえ人手不足の現場である。本当に回るのか?
　副反応の怖さもあるが、私はワクチン接種するだろう。キヨちゃんはどうかな?くりりんはインフルエンザの予防接種でもしんどい思いをしたので、打たないかも知れない。
　早く収束してほしい。

※薔薇の花、だいぶ開いた。
　　　　　


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キヨちゃんはキヨちゃんで、リュウはリュウで。

　今日はリュウの受診日だった。朝散歩の時にオシッコを採取。
　「母ちゃん苗物買いに行きたい。」
とキヨちゃんに言われだが、水曜日に調整の休みがあるのでその日に行く事にして、食料品だけちょっと買ってこようと決めた。
　「町内まで送ってくれたら帰りはタクシーで帰れる。」
と言うのだが、日曜日町内商店街は休みである。
　「ほっか、ほんなら水曜日に。」
となったのだ。
　さて、リュウは例えば家の中とか犬小屋のそばとか車の中とかで粗相をする事は無いのだが、マーキングを出た所では絶対してしまうので、最近はいつもおむつをしている。
　当然出掛ける前に済ませてもいるのだが、動物病院の長い待ち時間を車で待機していた間に溜まったのか、おむつの隙間から病院前の階段で粗相。受診終わりのお姉さんが慌てて沢山のティッシュをくださった。片づけておむつを付けなおし、スタッフにお詫びして消毒して貰う。やれやれである。
　で、尿検査は問題なし。エコー検査もレントゲン検査も異常なしだったのだが、まだ療養食は継続、おやつも禁止のままとなった。犬用のミルクと蚊、ほねっことか、鶏肉とか色々聞いてみたがダメだった。
　「先生・・・、経済的に続きません。」
と相談すると、しばらく思案してくれ、
　「今スパルトを溶かす作用の食事なので、次回から結晶化しにくくなる食事にしたら、少しコストを抑えられます。」
と提案があった。定価で３キロ6,000円位のものから3,500円位の物に。確かに安くなるのだけど、私たち庶民の餌は桁が違うのだ。そして缶詰も今ショート缶が300円ほどだが、私たちが買っていたのは国産品でもトール缶で200円しない。もうしばらく辛抱の日々か・・・。
　そして家に帰るとキヨちゃんは親戚の買い物に便乗して出掛けていた。ついでに買ったであろう買い物が被る被る・・・。だから、出掛けるなら電話してよ・・・。
　そしてそして、困った事にあんなにしっかり禁酒していたのに、数日前からどうも飲んでいるらしいと思ったら、しっかり買ってきて部屋に隠してあった。どうしても買い物に行きたかったのはこのせいでもあるな・・・。全く・・・。
　いや、身体と足にさえ来なければ全然飲んでいいのだ。多少おしっこの失敗が増えるが、そのくらいは私がフォローすればいい。問題は肝臓と転倒である。
　リュウはリュウでキヨちゃんはキヨちゃんで・・・。全くもう！

＊昨日豚の角煮の後、煮玉子にしてみた。

　　　　　



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９本目の薔薇

　今日は結婚記念日だ。くりりんからは恒例の薔薇の花束。

　　　　　

　いつもの花屋さんが、
　「あら、花言葉からの９本？」
と聞いたらしい。
　「イヤイヤ、９年目なので。何か?」
とくりりんが聞くと、
　「花言葉が永遠の愛だから。」
と、笑ったらしい。
　そして有り難いことに、花屋さんからもお花をくださった。

　　　　　

　又1年仲良く頑張ろうね。

色々と振り回された一日

　今日はキヨちゃんの受診日だったが、通院する病院のそばでクラスターが発生したので、今月はキヨちゃんを置いて私が薬取りに行った。
　県外と言っても車で４０分ほど。コロナ禍なので、予約時間より３０分以上早く病院に入らないでくださいとの依頼も貼っている。なので、なるべく時間直前に行くのだが、結局予約時間よりは半時間以上待つわけで、その時間動物病院ならブザーを持って屋外で待つのだが、人間様の病院はそうはいかない。
　本日の受診は脳外科と総合診療科。脳外科のキヨちゃんお気に入りＤｒ．が３月でお辞めになると聞いていた。次回受診時には新しい先生が来るはずなので、本当はキヨちゃんもご挨拶したかっただろうから、小さいブリザードフラワーをお渡しした。
　総合診療科は主に整形外科の主治医（松山）のフォロー的に診てもらっており、整形外科のお薬と内科などの薬を貰う。今はどこの病院でもコロナの事もあり、出来る限り長く処方するようにと言われているらしく、今回も７０日分の処方が出た。
　診療が終わって、まずは近くのスーパーに立ち寄った。キヨちゃんに、
　「とにかく、美味しいパンを沢山買ってきて。」
と頼まれていたのだ。
　実はこれも一悶着あった。今作業に来てくれている人たちにお茶やお茶菓子を出すのだが、お茶はともかくお菓子は個包装の物を出すように準備した。そしてペットボトルのコーヒーなども。
　そうしても、田舎の気心知れたおっちゃんたちでもない限り、ほとんど手はつけない。手をつけなくても出すのが礼儀である。しかし、食べてくれないとキヨちゃんが気を揉む。
　「出してもご迷惑になる事もあるし、今はコロナ禍だから、包装されていない物や生ものはお出ししない方が良い。」
と説明しても納得しない。
　「母ちゃんが金出すんじゃけん、美味しいもの買うてきて。」
　「いや、お金の問題じゃないんよ。皆も美味しいから食べるとか不味いから食べないとかで無いんよ。」
　「もうええ！今度の工事、お前らが全額払えよ！」
とどくれる。思わず聞こえないような声で、
　「払うたるわい。」
とひとりごちた。
　と言うわけで、美味しいパン屋さんで個包装されたパンを買ったのだ。そしてついでに気晴らしにちょっとだけショッピング。これもコロナのせいか閉店セールなどもしていて、店には気の毒だが良い買い物が出来た。エプロンドレス、トレーナー、パンツを買っても6,000円足らず。そして、ちょっと早いけれど、ヨリちゃん母さんの為のプレゼントと、キヨちゃんの保険証ケース（父が使っていたものをまだ使っている）がボロボロになっているので可愛いものを買った。

　　　　　

　そして処方箋を地元の調剤薬局にファックスして車を走らせた。こうするとつく頃には出来上がっている。
　その途中、キヨちゃんから電話。
　「すず～。明日から仕事の人休みって。パンいらん！買うてくるなよ！何にも買うて来るなよ。」
・・・・・。買ったがな・・・。で、これはデイサービスへの差し入れに。
　そして調剤薬局に着いて、薬代を払う時に安いな～と思っていたら、担当薬剤師さんが、
　「確認したいのですが、以前とお薬が減っていますが・・・。」
と言うではないか。見ると、必要な薬３種類が抜けている。
　それから病院に電話。医師から再度処方箋を出してもらって薬を作り直すまでに１時間以上かかった。何だかんだで、家に着いたのは１６時を回っていた。何のこっちゃの一日である。
　さらに、帰ってみるとあれほど個包装のお菓子を準備していたのに、袋からわざわざ出した菓子パンが器の中で硬くなり、せっかくのペットボトルも蓋を開けて温めて出したらしく、そのまま冷めていた。
　いや、キヨちゃんの優しさではある。暖かいものを出してあげたいという・・・。でもね、困るんだよね。
　疲れたので、今夜は温めるだけのハンバーグとお野菜で夕飯にした。うっかり切るのを忘れたら、
　「母ちゃんハンバーグ嫌い。」
と食べようとしなかった。で、鶏肉と塩サバで。これ、ハンバーグも刻んで置いたら食べるんだよね・・・・。
　疲れた。とにかく疲れた。途中ちょっと嫌な仕事がらみの電話も入ったので、気持ちも重かった。安物とは言え買い物出来ただけが気晴らしにはなった。


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