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すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

キヨちゃん劇場

2011-09-30 21:53:59 | うちのキヨちゃん
 今日なあ、母ちゃん病院行ったんよ。隣のネエやんも行くって言いよったのに、同じバスにのらなんだ。母ちゃんの乗ったバスは混むけん、みんなずらすらしいわ。ほんまに混んどって、ようや母ちゃん座れた。
 病院行ったらなあ、先生いつもの人と違うんでよ!クスリがあわなんだら、やめなさいって前の先生が言うたけん、そう言うたって伝えたら、「ダメですクスリは続けなさい。」って違うクスリも増えたんでよ!
 支払いに行ったら、まあ、病院代は210円だったけんええけどなあ、母ちゃんお金忘れて行っとって、4000円しか入ってない。こりゃ、何バリ買い物しよったら、帰れんなるって思うてなあ。
 支払い済んでから見舞いに行ったら、隣のネエやんも来とったけん、一緒に買い物して帰ろうって事になったん。タクシー割り勘で店まで乗って、270円ずつ払うたん。どうも、ほの時にカバンから落としたんじゃな。
 違う店で買い物して・・・って、4000円じゃけん豆腐と大根しか買えなんだ。帰りのバス代やがいるでえなあ。ほんでバスターミナルでネエやん待ちょったけんど、待っても待っても来んのんじゃ。バス2本あきらめた。
 ほしたらな、バス停にまあアキラちゃんによう似た人がおるんよ。ほんで行って見たらアキラちゃんじゃ。
 まあ、どこ行っとったんでえ?って聞いたら岡山じゃって。父ちゃんのおった会社の人が、何人か集まったんじゃって。Aさんも、Bさんも・・・ああ、お前は子供じゃッたけん覚えてないか?みんな来てたって。CさんやDさんは死んだらしいわ・・・・ああ、知らんわなあ。
 同じ会社でもとっさんら~は違うグループで集まったんじゃって。あ、お土産貰うとるけん、お礼の電話しなよ。ほうじゃ、○○おばちゃんからも電話あったんじゃ、電話しなよ。
 ほんで、まっちょったらな、ネエやんようや来て、「まあ、待っちょったんかえ。ご飯食べよった」って言うんでよ(笑)。母ちゃんにも食べてきたらって言うたけど、もうかんまんわってもんてきたん。
 ほんでよ。もんてきてみたら薬がないんじゃ。ほれから病院じゃ、店じゃ、バスじゃ、タクシーじゃって電話してな。タクシーもどのタクシー使うたか、二つどっちか分からんで、電話したら、2軒目で「ああ、キヨ子さんですね。お薬お忘れですね。」って。やれやれじゃ。ほんで、どうしますかって言うけん、病院の受付にもってってもらうことにしたん。
 まあ、ほんまに大変な一日じゃッたわ。

 以上、キヨちゃんが病院に行ってクスリを忘れて戻ったという報告を、長々と脱線しながらまくし立てた母の話。

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間に合うのかなあ・・・月末

2011-09-29 21:16:34 | ひとりごと
 ふう~。忙しい・・・というか、まだ手が付けられない。介護認定がギリギリまで出ない人が多いのだ。今月認定審査が多かったらしく、とにかく予定が遅れがちだ。
 暫定で計画を作り、提供表も暫定で作ってはいるが、これから保険証を確認してきちんと作り直して、担当様を回らなければならない。
 審査会が昨日。本日郵送しているはずだが、田舎なので明日の午後でないとお宅には届かないだろう。それから保険証を確認して回って、計画書を作って利用表を作って担当様を回って・・・。ま、間に合うかなあ・・・。
 明後日のお約束までフル稼働すれば大丈夫だろうか。しかし・・・、頑張ってはいるが、ここしばらく体調を崩して入院している人も多く、担当様は減る傾向にある。会社としてはもともと「二人いらない事務所」と言われているのだが、今後風当たりきついな。といって、こればかりはどうしようもない。
 会社と言えば・・・。10月人事異動・・・らしい。らしいというのがうちの会社の変なところである。本日29日になっても誰がどう動くのかさっぱり分からない。現場は混乱するに決まっている。明日には分かるのだろうが、そんなので大丈夫なのか?
 とにかく・・・。私は月末を乗り切る事だけ考えよう。


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ノートの切れ端

2011-09-28 22:08:37 | ひとりごと
 ノートに殴り書きした昔の詩が、時々出てくる。大体はきちんと清書したり、日記帳などのしっかりしたものに書くのだが、ふと思いついて書きなぐったものが、時々出てくるのだ。
 いつ書いたのか分からないが、アイテムからかなり古いと分かる。書きなぐっただけのもので、わざわざ書き直すのもなんだが、このまま捨てるのもなんなので・・・という理由だけで、ブログに書いてみる(笑)



 糸のような雨が 小さな流れを作る窓に
 椅子を引き寄せて
 そっと 頭をもたせかけながら
 ぼんやりと下を眺める
 針を落とした古いレコードのアーティストが
 あきもせずに 懐かしいフレーズを聞かせて

 こんな日は どんな小さな音も拾い集める
 隣の部屋の留守番電話の発信音
 レコードのわずかなノイズ
 公園のブランコが わずかな風に気まぐれにきしむ音

 針の上がる音が やけに大きくて
 思わず振り返る
 アナクロね・・・と
 いつか誰かに言った口ぶりで
 レコードを裏返しながら 言ってみる

 こんな風に
 いつか人も 懐かしいだけの思い出になってしまうのかしら


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予測不能なキヨちゃん

2011-09-27 21:49:22 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは言わずと知れた予測不能行動人間である。長く彼女の娘をしていても、まだまだ不意打ちを食らう。
 私のスケジュールは、決まり次第カレンダーに書き込むことにしている。まず、休みは日を大きく赤丸で囲む。休みの日は、キヨちゃんも予定を入れようと当てにするので、先約があったりキヨちゃんに予定を組まれては困る日は、予定も書き込む。
 「とくしまお出掛け」
とかである。
 その後、キヨちゃんも自分の予定を書き込む。例えば病院とかデイサービス、の行事などである。ところが、自分でも大事な用事だな~と思うと、キヨちゃんはキヨちゃんで赤丸をしてしまうのである。
 そうなると私の休みがえらいこと増えてしまう。それで、当てにされたら困るし、私も分からなくなって困る。幸い、きちんと丸が出来ないので、丸がつながってなかったり、ずれているのがキヨちゃんの予定。だから、すぐに違う色に書き直す。
 そして、食事。仕事が遅くなってもキヨちゃんは食べずに待つ事が多い。それでは、こっちも気が急くから食べておいてほしいと言うのだが、
 「寂しい」
と待つ事もしばしばである。
 ところが、先日いつものように朝リュウの散歩から戻ると、キヨちゃんの茶碗が片付けられている。出かける前に味噌汁を温めて、いつも散歩から戻ったら一緒に食事して、それから一緒に朝の連続テレビ小説を観るのが日課だ。もっとも、朝早くから畑に行く時は、先に食べて出かける事もあるが、その日は予定は無かった。
 不思議に思いながら牛乳を準備していたら
 「母ちゃん、ご飯食べた。」
と言う。後は私の準備する牛乳待ちである。
 「出かけるん?」
 「ううん。お腹すいた。」
・・・子供か!
 「あのなあ、そこは一緒に食べようや。朝くらいは。」
 朝からこんな説教をする羽目になった。いやはや・・・、まだまだキヨちゃんにはやられそうだ。

*寒くなって、くろべえがありがたい。


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百歳~柴田トヨさん第2詩集~

2011-09-25 22:26:10 | ひとりごと
 以前紹介した柴田トヨさんの詩集「くじけないで」に続く、第二詩集が出た。前回同僚がプレゼントしてくれたので、本屋で見つけて今度は私が彼女にあげようと思った。
 しかし、流石に前作が150万部を超えただけのことはあって、こんな田舎でも残っているのは1冊だけで、次回入荷の予定が書かれていた。
 仕方なく、とりあえず1冊だけ買って帰った。これをプレゼントにするか、先に私が読むか悩みつつ、結局我慢できずに読んでしまった。
 やはり素晴らしかった。思わず涙が出るものもあったが、どきりとするものもあった。ひとつ紹介したい。

   やさしさ

   歳をとると
   やさしさが
   ほしくなるの
   それが栄養になって
   元気になる

   でもね
   偽りのやさしさを
   食べた時は
   吐いてしまった

   真実のやさしさ
   手料理を
   いただかせてください


 どきっとしませんか?肝に銘じなくてはと思った。
 ところで、今日出勤すると休みの同僚から包みがあった。
 「押し付けがましいけど、読んでください」
と、この本がプレゼントされていた。同じ事を考えていたのだなと、朝からひとり笑ってしまった。
 さて、明日彼女にお礼を言ってから、事の次第を話さなきゃ。



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屋根の上のバイオリン弾き・・・ならぬ、屋根の上のキヨちゃん

2011-09-24 18:45:16 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんはとても身が軽い。身体が小さい事もあり、本当に山の斜面などにも上って仕事をする。父がまだ元気だった頃、雨が降ると屋根に上ってデッキブラシで屋根を洗うので、危ないとよく父に叱られたものだ。晴れた日にすればいいのだが、せっかくの雨だから、ホースを引く手間もなく、水も勿体無くないのだと言う。
 今日は午前中にリュウを連れて歩いて墓参りに行った。その間にキヨちゃんは畑仕事。戻ってから、隣町へ買い出しに行った。食料品と苗ものだ。野菜に関してはキヨちゃんに作ってもらって、収穫するまで私には何がどう植わっているものやらさっぱり分からない。ありがたい話である。
 午後、この前買った高圧洗浄機で苔落としの続きをした。どうしても気になるのが、屋根の上。瓦は構わないのだが、透明の屋根部分(ナミトタン)は、どうしても青海苔が貼った様になるので汚い。脚立などで出来るだけ近付いてしてみたが、高圧洗浄機は間近で角度がしっかり当たらないとただの強いシャワーである。
 で、屋根の上に登る事になったのだが、齢80のキヨちゃんを登らせるわけにはいかないと、私がチャレンジしたのだが、いかんせん運動オンチの上に高所恐怖症。へっぴり腰で何とかたどり着いたが、この屋根がたわんで何とも頼りない。
 「見よるほうが怖いわ!」
とキヨちゃんに笑われる。
 「なあなあなあ、この屋根壊れんの?割れんの?」
 壁に背中を預けながら引けた腰で作業をしていたが、あまりにしなるので怖かった。
 「ことうない。それは割れたりせんように出来とんじゃ。」
バキッ・・・・。へ?言ってるそばからひび割れが・・・。
 「母ちゃん・・・割れた。」
 「何やらしてもお前だけは・・・。」
 あえなく選手交代となった。
 「母ちゃんはお前の体重の半分しかないんじゃけん、心配するな。」
おいおい、幾らなんでも私も80キロ近くはないぞ。
 そして、これがその雄姿である。




 キヨちゃん、まだまだ大丈夫なようだ。問題は私だな・・・。まずダイエットから始めねば・・・。


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衣替え大急ぎ

2011-09-23 18:49:07 | ひとりごと
 今日明日、珍しく連休を貰っているので気分的に楽だ。もっとも月末の仕事が片付いたわけではないのだから、休み明けが怖い。
 台風の後、急激に寒くなった。衣替えをしなくてはならないが、間に合わなかった。何しろついこの間まで、タンクトップとハーフパンツで布団もいらないような日が多かったのだ。
 夕べ慌てて長袖のパジャマを出したが、衣装ケースの匂いがあって我慢できない。勿論、洗って干してしまってあるのだが、ケースの匂いなのか、虫除けの薬剤のせいかとにかく嫌なにおいがする。普段なら、出して洗うなり天日干ししてから使うのだが、急に寒くなって間に合わなかったのだ。
 我慢できずに脱いで違うパジャマを出す。・・・我慢できない。脱いで次の衣類に変える。その繰り返しで、結局整体用のジャージに着替えて、山のように洗濯物を出した。
 朝大量の洗濯物を干して、布団も干した。それからいつもは出来ない長めの散歩。リュウのためである。久しぶりに、小太郎君と遊んだリュウはご機嫌で、戻ってからも機嫌が良かった。



 久しぶりに晴れて、私の休みも重なって、こういう日はリュウもキヨちゃんも機嫌がいい。庭のアボカドはこんなに成長した。



 キヨちゃんはお彼岸の中日なので、おはぎを作った。



 しかし、昔のナフタリンやショウノウみたいな匂いじゃなくても、今の微香性の虫除けも結構なものだ。考え直さなければ・・・。人間も参ってしまう。

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家という魔法

2011-09-22 21:38:59 | ひとりごと
 ある担当様の話である。もともと認知症のある方で、誤嚥性肺炎が元で寝たきりとなってしまった。筋力的には落ちていないので、リハビリ次第では元通りになるのではと期待されたが、嚥下のほうは難しく胃ろうとなった。
 歩行はと言うと、認知症のためにリハビリの指示が伝わらない。分かっていてしているんじゃないかと思うほど、思いがけないところで力を抜いたり、気が向かないと全く動こうとしなかった。
 病院ではかなり色々頑張ってくれ、一度外出訓練を試してみようという事になった。家に帰ればあるいは感覚を思い出してくれるかもしれないと期待したのだ。
 当日私も家に行った。家であることはご本人にも分かるようだったが、歩く気配は全く無かった。両脇を支えて介助しても、宇宙遊泳のように足を軽く合わせるだけ。そのうち子供のように足を浮かせてしまう。
 それなら大好きだった動物はどうだろうと、ご家族がかわいい子猫を連れてきたが、泣きそうに怯えてしまう。
 結局何の成果も無いまま、病院に戻り、その後益々機能低下と意欲低下が進んだ。ソーシャルワーカーから、
 「おむつ交換のときはジタバタと激しい抵抗がありますが、それ以外は寝かせたら寝たまま、座らせたら座ったままです。」
と説明があった。
 退院前も様子を見に行った。介護抵抗の時は、手も足もよく動いている。つまり筋力低下はあっても動けるという事だ。にもかかわらず、歩けない。
 しかしご家族のいう事だけは不思議と耳に届き、つかまり立ちができた。靴を自分で履いてとご家族が言うと、指先を使って座ったまま靴を履いてみせた。
 「こんな○○さんを見たことが無い。」
と病院スタッフは仰天した。
 そして、退院。歩けない上に認知症による介護抵抗もある彼のために、沢山のサービスが必要でカンファレンスが開かれた。
 しかし・・・である。帰って数日、彼はひとりで玄関先に座っていた。仰天したご家族は怪我をしないように施錠せざるを得なくなった。半信半疑で訪問した私達の前で、
 「ねえ、歩いて見せて。」
頼むと
 「うん。」
と指示も通り、見事に歩いて見せたのだ。
 嬉しいような悲しいような・・・。いいことなのだがリスクも高くなる。
 それにしても・・・、家には魔力がある。


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台風大丈夫ですか?

2011-09-21 21:09:49 | ひとりごと
 沖縄の辺りでいつまでもぐずぐずして迷走していた台風が、昨日から四国に接近した。台風が来ようと言うのに、ぎっちり詰まっていたスケジュールの上に、急いで対応しなければならない仕事も入り、いつもより残業する羽目になった。
 キヨちゃんがお冠なのは分かっていたが、電話で事情を話したが怒っているから聞く耳を持たない。話している途中でガチャンと切る。
 昨日は本当に仕事でも色々 あって、心身ともにしんどかったのだが、これで家族に拗ねられたら全く合わないなあ・・・と、同僚と話し合った。彼女は私の数倍仕事している上に、家族が何人もいるのだから、しんどいだろう。まあ、穏やかな家族なので言い諭される感じなのだろうから、家のように大声を出して大喧嘩なんて事は無いだろう。
 結局帰ってから喧嘩になり、キヨちゃんは拗ねてふて寝。私は台風が気になることもあって、一晩中寝たり起きたりしながらテレビを観ていた。
 前回池田ダムの放流量が毎秒3000トンとか言っていたが、今回は最終今朝までに7000トンの表示が出た。量がどんなものかは分からないが、吉野川の増水は見て分かる。
 また、家の横の側溝の水の多さや、今まで無かった場所からどんどん水が出て小川のようになっていた。
 幸い今のところこの近所で災害は聞いていない。キヨちゃんも一晩寝たら機嫌が直っていた。
 しかし徳島市内の友人は、床下浸水したようだし、車も水没したらしい。関東の親戚も被害こそ無いが怖い思いもしたようだ。ニュースで見る限り、ものすごい状態のところもある。被害が最小限であればいいのだけれど・・・。
 皆さんのところは大丈夫ですか??

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勝負下着

2011-09-20 21:40:56 | ひとりごと
 女には「勝負下着」というものがある。一般的には意中の人とそういう事になった時のための下着の事を言うのであろう。
 しかし、勝負下着は何も若い女性だけのものではない。ちゃんとお年寄りにもあるのである。
 例えば、友達と温泉などにお出掛けする時である。デイサービスもしかり。つまりは、他人に見られても恥ずかしくないものを着るのである。
 うちのキヨちゃんに至っては、以前にも書いたが普段は全く構わない。何しろ父のお古でも構わなかったのだ。しかし、お出掛けするとなるとそうはいかない。
 次に必要なのは通院である。お医者様に恥ずかしい下着は見せられないというわけだ。
 そうは言っても、普段構わないキヨちゃんでも、私がかわいいレースの下着などを買ってあげると、まんざらでもなさそうな顔をしつつ
 「えへへ~。こんなん穿いたら、娘がびっくりするわ~。」
と笑う。この場合の「娘」は私の事ではなく、自身の身体の隠語である。
 おばあさんと言っても女は女。やっぱり可愛い物が良いに決まっている。自分では決して買わないのだから、時々かわいいものを買ってあげる。
 さて、ある日の事温泉で同級生のお母様と遭遇した。お母様は数人のお友達と来ていたので、お出掛けして温泉に来たようだった。ふと見ると白いブラジャーをつけている。
 これには流石に感激した。キヨちゃんは私の知る限りブラジャーなんてした事が無い。多分、時代から言ってもつけない世代であろう。だから同級生のお母様が、そういうきちんとした下着を着けていることに感動したのだ。
 しかし、その直後私は大いに焦る事になる。おしゃべりに夢中になっていたおば様は、何と全部衣類を脱いだ後、ブラジャーだけ外し忘れて温泉に入って言ったのだ。
 「おばちゃん、おばちゃん!」
わたしは必死に小声で呼んだ。振り向くおば様。
 私は胸を指差してジェスチャーで示したが、全くぴんと来ない。しばらくきょとんとしたおば様と私のやり取りが続き、ついに私は傍に行ってブラを指差すしかなかった。
 こっそり教えたかったのだが、気づいたおば様大爆笑。連れの面々も気づいて大爆笑だった。
 勝負下着・・・。付け慣れない物には十分ご注意を・・・。



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