菅義偉官房長官は19日のフジテレビの番組で、熊本県を襲った豪雨で氾濫した球磨川水系について、「(治水対策は)ダム建設でなければ難しいという判断だったが、地元から反対があった。今回の被害で、その問題を課題に乗せなくてはまずいのかなという思いがある」と述べた。
同水系では「川辺川ダム」の建設計画があったが、一部の流域自治体などの反対で、国は民主党政権下の2009年に中止を決定した。
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フジテレビの「日曜報道THE PRIME」では豪雨災害について取り上げていました。
菅さんの発言は ⇒ 46:00
国が4月から始めた対策(ダム行政の見直し) ⇒ 46:33
見直しが遅すぎます。
ダムの事前放流は和歌山県の仁坂知事が前々から提案していました。
https://www.pref.wakayama.lg.jp/chiji/message/20200629.html
2011年の紀伊半島大水害の反省からダム事前放流の必要性を感じ、
ダメ元で関西電力の社長にも事前放流をお願いし協定を結び、
今までに50回の事前放流をしていると述べています。
ところがこの方法を国交省や全国知事会で提案しても中々実現せず
やっとこの4月からダムの事前放流が法制化したようです。
仁坂知事の発言を真剣に聞き、もっと早く実現していたらと悔やまれます。
因みにこの投稿は熊本豪雨の直前の6月29日の投稿です。
※参考:今年4月の「ダム事前放流のガイドライン」
http://suigenren.jp/news/2020/04/23/13135/
https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/dam/pdf4/02jizenhouryu_guideline_honbun.pdf
国の法整備が遅すぎますし、熊本県知事も仁坂知事の話を真剣に聞き、
熊本県はどうだろう、脱ダムで地域住民を救えるのかを考えて欲しかったです。
球磨川流域には市房ダムと、荒瀬ダム、瀬戸石ダムがあり、
後者2つは発電用で、ダム上部に溜まった堆砂による洪水リスクがあるからと
地元住民の撤去の要請があり荒瀬ダムは一昨年に撤去されています。
ダムアレルギーと言うか、地元の人達はダムを毛嫌いしている気がします。
それにしても堆砂で洪水リスクがあるからと撤去をするとの理屈がわかりません。
そんな事を言っていたら全国のダムはどうしているのでしょう。
堆砂で貯水量が少なくなるからお役目御免となるのですか。
何らかの対策で排砂出来ないものなのでしょうか。
定期的に浚渫するとか方策はないのでしょうか。
堆砂でダム撤去とは勿体ない話ではありませんか。
※球磨川流域のダムの位置関係
大雨の予測は難しいと言われているそうです。
しかし梅雨時ならある程度予測は出来るでしょう。
万が一の渇水時には国が責任をもって補助するとガイドラインにもあります。
渇水があればまた不便を強いられると思います。
しかし不便と人の命と天秤にかけたらどちらを取るか明白です。
自治体の首長は住民を守る責務があるのですから、
一部の住民運動に惑わされずに何が大事なのか、
どうすれば地域民を守れるのかをよく考えてもらいたいです。
脱ダム宣言は長野県の田中知事が言い始め、その後滋賀県の嘉田知事も続き、民主党政権の「コンクリートから人へ」に続いた様です。
やはり首長たるもの、市民活動家紛いの人では務まりません。
どんなに活動家が反発しても住民を守る為には決断力も必要でしょう。
その点、蒲島熊本県知事は市民活動家の言いなりになり、また地元住民も活動家の主張を信じてしまった結果の今回の災害だったと思いますね。