ノルウェーの首都オスロでノーベル平和賞を授与された日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表団が13日、羽田空港に到着し、帰国した。出迎えた人から「お帰りなさい」「お疲れさま」と声がかかり、受賞演説の大役を果たした代表委員の田中熙巳さん(92)は車いすに乗り、笑顔で手を振っていた。石破茂首相は被団協関係者と面会する意向を示しており、注目が集まる。

 事務局次長の児玉三智子さん(86)は取材に「新しい運動の始まり。世界の一人一人が本気になることが大事です。日本政府に核兵器禁止条約に参加すること、せめて(締約国会議に)オブザーバー参加するよう働きかけたい」と話した。

冬のライン「結晶」

ノーベル平和賞受賞受賞の日本原水爆被害者団体協議会、略して被団協。

被団協。。。

これでは分かりづらいのでどこかに原爆の文字を入れて欲しいです。

それはさて置き、色々考えさせられるノーベル平和賞です。

 

まずは多くの人が疑問に思っている事ですが、授賞式での演説での田中代表委員の言葉、

「原爆で亡くなった死者に対する償いは日本政府は全くしていない」

では日本政府は全ての戦争犠牲者に償いをしているのでしょうか。

否です。

太平洋戦争の犠牲者は原爆で亡くなった方だけではありません。

焼夷弾爆撃で亡くなった人もいます。

しかし日本政府はその方達には償いをしていません。

というか日本政府が戦争の犠牲者に償いをするべきなのでしょうか。

市街地爆撃は当時も戦争犯罪でした。

ですから償いをすべきは米国政府です。

とはいえ、苦渋の決断だったと思いますが、サンフランシスコ条約で日本は賠償請求を放棄しています。

ですから一応法的には米政府にも賠償請求できないです。

ただ田中代表委員の「償い」とは賠償というより「申し訳ない」との謝罪の言葉かもわかりません。

ですから米国政府から正式に謝罪の言葉を求めたいです。

というものの「日本政府は償いをしていない」との言葉には違和感がありますし、

それも全世界が注目している授賞式で二度も繰り返す必要があったのかです。

いいえ、この言葉は不要でした。

言いたいなら「米国政府は償いをしていない」と訴えればよかったのです。

 

ところで昨日だったかNHKニュースで現地での被団協の活動が取り上げていたのですが、

その時のテロップに違和感を覚えました。

代表団の被爆者がオスロの高校訪問 悲惨な現実を証言|NHK 長崎県のニュース

右上の「過ちを繰り返さない」の文字。(NHK以外の報道ではこの言葉はありません)

広島平和公園の碑文「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」の言葉を思い出します。

主語がないので色々の解釈がある様ですが、それでも違和感を覚えます。

過ちとは原爆投下ですから日本だとするには無理があります。

過ちを二度も繰り返した米国。

広島にはウラン原爆、長崎にはプルトニウム原爆。

その違いを知るための実験だと言われています。

更には投下後に米軍は現地で被害状況を調査し、様々な資料を持ち帰ったと言われています。

敵国とはいえ日本人を実験材料にしたのです。

なにが「過ちを繰り返さない」ですか。

違和感と共に怒りさえ覚えます。

 

平和賞受賞で核兵器について考える切っ掛けになったのは喜ばしい事ですが、

それならアメリカに行き、アメリカ国民にそしてアメリカ政府に訴え質問すべきです。

日米同盟に影響を及ぼす懸念もありますが、それでも抗議する相手を間違っています。

そしてロシアに、中国に、北朝鮮に、そしてすべての核保有国に訴えるべきです。

 

また児玉事務局次長の「核兵器禁止条約に参加して欲しい」との考えですが、

これも世界情勢、特に核保有国に囲まれた日本には無理な要求です。

抑止力の為にも日本は核保有、もしくは米国の核の傘に守られているべきです。

 

ウクライナはどうですか。

核を放棄した為にロシアに戦争を仕掛けられ、そして多くの犠牲者が出ています。

また戦争を終わらす為に米国が攻撃しようにも核による反撃を予想すればそれも危険です。

 

ひとたび核を持てば放棄する事は困難です。

核保有国が存在する限り、放棄など出来る筈はありません。

それこそ核保有国の独裁、世界制覇になります。

中国やロシアに国際社会が牛耳られる事を良しとするのでしょうか。

あんな残虐な国の支配下に置かれる事を受け入れるのでしょうか。

核兵器禁止条約は実現不可能でただの理想でしかないと言いたいです。