木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

江戸時代と現代

2008年10月01日 | 日常雑感
現代社会は、よく江戸時代の武家社会に喩えられる。
特に、サラリーマンは、武士に置き換えられて考えられることが多い。
終身雇用制などは、江戸幕府から引き継がれている制度と言える。
しかし、ひところのバブルやITバブルなどは、まさに戦国時代を思わせる。
江戸幕府を倒したのは薩長土肥であり、彼らは江戸幕府を否定し、自らの益を継続させようと考えたのが官僚政治である。これが現在まで踏襲されている。
そうすると、今の世の中は必ずしも江戸時代の制度を引き継いでいない。
むしろ、今の風潮というのは、江戸以前のものなのかも知れない。
では、どの時代の風潮なのか、と考えてみると、色々な時代がミックスされているように思う。
今は独裁者がいない時代であるが、古来日本には真の意味での独裁者がいなかった。
江戸時代でも、徳川は絶対独裁者ではなかった。家康は、いかに諸大名が反乱しないようにするかに腐心し、制度と精神面というハードとソフトの二本立てで臨んだ。決して、独裁者として臨んだ訳ではない。
当然、現代にも独裁者がいない。
日本の色を染めるのは、多数の意見であるが、この意見というのは、操作されやすい。
怖いのは、知らないうちに、マインドコントロールされていくことである。
このマインドコントロールというのは、誰かが意図的に行っているとは限らない。
たとえば、癒しだ、ヒーリングだ、自分にご褒美だ、とマスコミにはやし立てられると、自分も疲れているんだな、と思ってしまう。
ストレスだ、鬱だ、と言われると、自分もストレスを溜め込んでいるんだと思う。
悪気の有無にかかわらず、自分の考えまで左右されてしまう。
ITバブルは、もっと質が悪く、権利ばかり主張する者を大増殖させた。
金を払えば、何でもできると公言して憚らない連中を輩出した後遺症が今に残っている。
現在多発している凶悪犯罪は、このバブルの影響を強く受けているとしか思えない。
この先、日本がどこに行くのか、心配である。

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