この時期には珍しく気温が一度プラスになり、そして又零下に戻った。
歩道の雪上には靴で踏まれた足型が重なりあって凍結している。
冬靴であっても、そのガタガタ道を歩くのは至難の業で、転ばないようにと普段使わない筋肉を使うのか倍は疲れる。
時々足下から煎餅でも割ったようなバキッと云う音が聞こえ、気を抜くとツルッと滑る。
こんな道で転んだら骨折するだろう。
運が悪ければサスペンスドラマで階段を転げ落ちる以上のショックを受けて死ぬかも知れない。
そう思うとジョギングはとても無理で、ウォーキングも途中で諦めた。
最近、私の住居がある区画で私より年下の一人住まいの男性が亡くなったと死亡記事が出ていた。
その家の除雪はされていなくて、玄関まで点々と付いている足跡は喪主をしたと云う親戚の方のものだろうか。
これで近所の空家は3つに増えた。
空き地もゴロゴロある。
雪の捨て場所には困らないけれど、風通しが良くなり過ぎる。
裏の家も、その隣も一人住まい。
庭いじりが好きなオッチャンは家から出なくなり、時々介護施設のバスが迎えにくるようになった。
新コロナも収束していないし、これだけ人が消えていくと次は自分かも知れないと思う。
頭のテッペンが涼しくなったので滑って転ぶと今日が命日になるかも知れない。
そうならないようにと、さらに慎重に足を進めた。