スーパーのレジで順番待ちするのもソーシャルディスタンス。
最初の内は、つい詰めてしまったけれど、今では慣れて並び方も憶えた。
どの列に並ぶかで重要なのは、レジ担当者の手際が良いかどうかと云うのもあるが、並んでいる人の買物量を見ておくのも必要だ。
でも私の場合はそんなことでレジを選ばない。
愛想が良いかどうか、可愛い人かどうかが重要だ。
僅か数分の逢瀬だが、楽しい時を過ごせるかどうかは、人生の残りが少ない私には極楽か地獄の差に等しい。
どの列に並ぼうかと選んでいたら、珍しくウッフン光線を発射し続ける可愛い女性がいるのを発見。
買い物客が若い男性だと、顔をジックリ見て商品を掴む指先にまで色気を漂わせる。
何か話し掛ける度に相手の目にシッカリ視線を合わせる潤んだ瞳。
オトコを落としたい時に使う魔性の目だ。
笑顔満開でウッフン光線をビュンビュン飛ばす姿は、多分新しいオトコを探している真っ最中なのだろう。
モッタイナイことに、男性の方はお金の計算と買った品物に関心が向いていて彼女の顔さえ見ていない様子。
当然私は彼女担当の列に並び、ウッフン光線待ち。
やっと私の順番が来て、彼女が見せた笑顔は営業用。
私と視線を合わせようともしない。
どうした、ウッフン光線は。
どうした、クネクネは。
オレにも極楽を見せてくれよ。