「今日はお好み焼きですっ」と云いながら私の前に置かれた夕食。
お好み焼き大好きの私は「ワーイワイ」と歓声。
「それがねぇ・・・・・固まらないの」と自信が無さそうなルンバの声。
一週間ほど前にガスからIHコンロへ変えて以来、かなり苦労しているのを知っている。
やっぱり火力調節が難しいのだろう。
「でもねぇ、最後にレンジでチンしたから中まで火は通っているから大丈夫」と云う言葉が続き、逆に「大丈夫」では無いことがあり得ることを悟る。
あまり料理が得意では無いルンバが、珍しくレシピを見ながら作ったらしい。
「長イモと卵も入っているから固まらないのかも知れないけれどレシピ通りだ」と言い訳は続く。
私は、彼女の努力に報いる為、滅多に「不味い」なんて云わず出てきたものはきちんと頂く。
早速ソースと青のりを掛けてムニュッとした感触の一口目。
「どう❔」と訊かれたけれど・・・・・さすがに「美味い」とは云えず頑張って飲み込み「少し柔らか過ぎるみたい」と云った。
「もしかしたら長イモを入れすぎたんじゃないの❔」と云うのだが頑固に
「レシピ通りなんだけれど・・・・・」と繰り返すので、私は頑張って二口目、三口目。
ドロドロ、ヌルヌルして気持ち悪さが増す。
スリスリは「もんじゃ焼きだと思えば」と云うけれど
「もんじゃ焼きはこんなんじゃ無いと思う。食べたことは無いけれど」と私。
もんじゃ焼きだと自分に暗示をかけたスリスリは見事に完食。
「凄いなぁ」と褒め称え、暗示が不十分だった私は少し残し、そっとゴミ箱へ。
「ゴメン、頑張ったんだけれど・・・・・」と云う私に
「レシピ通りなんだけど・・・・・」と哀しそうなルンバ。