スーパーの店頭には、スイカが並んでいる。
子供の頃には、夏になると必ず一回は食べたスイカ。
それが、ここ数年、多分10年以上は口に入れていない。
「夏はスイカだろう」と云う気持ちが無いからかも知れないけれど、私も含めて家族は誰一人「スイカを食べたい」とは云わない。
店頭に並んでいるスイカも控えめで居心地がわるそうだ。
カートを押している人の籠を見てもスイカを入れている人を見掛けたことが無い。
昔、窓に吊され心地よい音を響かせていた風鈴も見なくなった。
まだ何処かで売っているのだろうか。
そう云えば、最近「カキ氷」の旗がなびいている店を見なくなった。
スイカと同様に、どうしてもカキ氷が食べたいと云う気持ちも薄れてきている。
コンビニで、似たような氷菓子が売られているからかも知れないが、夏の風物詩が心の中から消えつつある。
「お母さん、スイカを買おうか」と云ったら答は想像できる。
「私たちは食べないからお父さん一人で一個全部食べるんだよ」と。