高専裏を歩いた。
天下を取ったように広がっていた蕗はいつの間にか全て枯れ、ハマナスの実も熟しすぎて破裂していた。
代わりに威張っているのはススキだ。
前回のウォークで少しだけジョギングした時の筋肉痛が残っているので、今日は無理せずにウォークに徹した。
所々に花や樹木の名前を書いた札が立っている。
が、沢山ある草や花や木のどれがその札の植物なのか分からない。
カシワと書いてあるので、その周囲を探したら柏餅に使っているのと同じ形の葉が茂っている木を見つけた。
マユミと云う札の周りには雑草ばかり。どれがマユミなのだろう。
そう言えば高校生の時だったろうか、確か真由美と云う名前の女の子がいたように思う。苗字は思い出せないが、確かメメちゃんと呼んでいたような気がする。
どうしてメメちゃんと呼ばれるのか訊いておけば良かったと今頃になって思う(笑)
入院していた時に仲良くなった3歳ほど年下の女の子はミチコちゃんだ。
確か道子ではなくて路子と書いていたように思う。
苗字はきちんと覚えているが退院したのと同時に会うことは無くなった。
下戸なのに、忘年会の二次会で顔しか知らない女性に酔ったフリして冗談で
「今夜抱かせて」と云ったら「良いよ」と即OKされて腕をガッチリ捕まれた。
逃げられないようにとガッチリとだ。
あの時は本当にヤバかった。ジェームスの危機を感じた。
トイレへ行くと云って腕を放してもらい、トイレから直行で金も払わずに走って逃げた。
彼女の名前は何と云うのだろう。
未だに誰だか分からないのだけれど、抱いておけば良かったと少しだけ思う。