高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

作業工程 その3 竹みがき

2006年10月06日 19時30分00秒 | 竹細工作業工程

__3 「磨き包丁」竹細工独特の道具である。良く似たもので、桶屋さんが使うとか、下駄屋さんが使うとか聞いたことがあるが、あまり見かけない。半円形に湾曲した包丁を竹に垂直近くに立て、竹の表面を剥ぎ取っていく。

伝統工芸で今、一番問題なのは伝統工芸品を作る技術はあるのだがそれに関わる道具や材料を作る人がいなくなっているのだ。どんどん高齢化してしまっているのが心配だ。大分の竹工芸の場合でも、竹工芸がしたいという若い__4人は全国からたくさん集まってくるのだが、肝心の竹を切り出す人がいなくなっているし、このような、特殊な道具を作る鍛冶屋さんがいなくなっているのだ。

竹を磨いた時に出る屑だ。クルクルと丸まって出てくる。この削り屑を見ると、上手いか下手か判るんだよね。竹を磨くときの音を聞いていたら、竹を見なくても素人か?職人か?判ります。この屑を使って、磨き終わった竹を更に磨いてやると良い艶が出るのだよ。

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作業工程 その2 竹みがき

2006年10月06日 06時25分00秒 | 竹細工作業工程

__1 今回から、少しずつ、竹バッグや花かごができるまでの作業手順や道具などを紹介していこう。前回の菊割りにかなり問い合わせがあったからだ。

丸い竹をそのまま割っていき、作品つくりに入ることもあるが、ほとんどの場合表面のガラス繊維を磨き取ることから始まる。竹の表面には硬いガラス繊維で覆われていて、それが竹の持つ艶を出しているのだが、ガラス繊維のお陰で染料とか漆がしみ込み難い。そのため、竹細工独特の道具である「磨き包丁」を使ってガラス繊維を削り取っていくのだ。少しずつ、幅3mmくらいずつ竹を回しながら磨いていく。面白いものでこの最初にする作業が作品を仕上げるときの最後の艶出しに答えが出てくる。まるで、人生教訓のようだ。

__2 丁寧に少しずつ、女性を扱うように!力を入れすぎて削り過ぎると艶がなくなってしまう。均等の力で!力にばらつきがあると、表面に凸凹の傷ができてしまう。磨く音を聞きながら、磨かれるときの熱を感じながら!均一に均一に!

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