「磨き包丁」竹細工独特の道具である。良く似たもので、桶屋さんが使うとか、下駄屋さんが使うとか聞いたことがあるが、あまり見かけない。半円形に湾曲した包丁を竹に垂直近くに立て、竹の表面を剥ぎ取っていく。
伝統工芸で今、一番問題なのは伝統工芸品を作る技術はあるのだがそれに関わる道具や材料を作る人がいなくなっているのだ。どんどん高齢化してしまっているのが心配だ。大分の竹工芸の場合でも、竹工芸がしたいという若い人は全国からたくさん集まってくるのだが、肝心の竹を切り出す人がいなくなっているし、このような、特殊な道具を作る鍛冶屋さんがいなくなっているのだ。
竹を磨いた時に出る屑だ。クルクルと丸まって出てくる。この削り屑を見ると、上手いか下手か判るんだよね。竹を磨くときの音を聞いていたら、竹を見なくても素人か?職人か?判ります。この屑を使って、磨き終わった竹を更に磨いてやると良い艶が出るのだよ。