竹剥ぎで薄くして1ミリ以下の厚みになった竹を水に漬けておき少し柔らかくする。竹は皆さんが思っている以上に硬いのだ。昔からモノサシの材料に竹が使われているが軽くて変形しない性質のためだ。乾いた状態の竹を削っていくと刃物の方が直ぐに切れ上がってしまうため、水に浸して柔らかくする。
銀杏の木に2本のナイフを打ち込み、その間に1本1本竹ヒゴを通していく。2本のナイフの間隔が出来上がるヒゴの巾になる。3ミリのヒゴを取ろうとすると3.1ミリくらいの広さで打ち込む。2本の刃の角度、ヒゴを引く方向、刃物の切れ味。この三つが巾取りをする時の3大要素になる。言葉で書くと大仰だが、実際は無意識に身についてくるものなので 「コンコンコン」と竹割り包丁の裏でナイフをたたいて木に打ち込む。1本ヒゴを通してみて太ければ、もう少し打ち込む。こんな感じで比較的簡単に巾取りナイフをセットしている。下の写真はちょっとわかりにくいが真ん中で横に続いているのが竹ヒゴです。中央に2本のナイフが立っており、2本の隙間以上の所が切り取られていっている所である。竹ヒゴは右の方に引いていくので左手の余分な部分が削り取られることになる。
大体、あぐらをかいて作業することがほとんどであるので、長時間やっているとどうしても腰が痛くなる。腰痛は竹細工師の職業病のようなものだ。