巾取りを終え、一定の巾になったヒゴの角を落とす作業だ。巾取りの時と同じく、2本のナイフを銀杏の木に打ち込む。今度はヒゴに対して直角になるように立てるのであるが、右手でヒゴを引き上げるように引き込む。左手は押さえ竹でヒゴを上から押さえる。このときの力加減で深い面を取ったり、浅い面を取ったり調節するのである。この面取りの深さで篭の表情が変わる。ヒゴの厚みを計算に入れてどれくらいの力で抑えるのかを考える。面取りが浅いと少し硬い表情になるし、かといって力を入れすぎて深い面取りをするとヒゴが凸凹してしまう。
竹の両サイドから糸のような屑が出てくる。左右同じ大きさの屑が出てこないと均一なヒゴにならないものだ。1本、1本をナイフの間を通す事で優しさを引き込んでいくのだ。面を取りながら、前の行程のチェックも同時にしている。