広島県熊野地区は日本一の筆の産地である。職人展に参加すると必ず1店、筆屋さんが出店している。熊野筆のてっちゃんは職人展のマスコット的存在で自分の店だけでなくあらゆる店に売り子みたいな顔をして立っている。ポテッとしたお腹とキョロッとした目が印象的である。雰囲気としては「雨がえる」といった感じだ。見た目とは裏腹にさすがに筆屋さん、字が上手い。さらさらーと書く字が落ち着いて美しいのだ。人は見かけで判断してはいけない。
うちの家内も習字をするのだが、忙しい日々に追われる中一つのことに集中する時間が心地よいのだろう。私ももう一度習字をやってみようか?
私にとっての習字の思い出はお祖父ちゃんだ。頑固で遊びを一切やらないお祖父ちゃんが字が本当に上手かった。小さい頃お祖父ちゃんの手解きで筆を持つのだがその時は正座がいやでいつも逃げ回っていたような気がする。