ある程度の巾に割った竹を今度は剥いでいく。これも、竹割りと同じでバランスの問題だ。表皮に近いほうが硬く強いので、少し薄く。だいたい、6対4くらいの割合で竹割り包丁を推し進めて行く。包丁の刃の部分は最初に竹に裂け目を付ける時に使うだけで、後は手元に付いている胴金という部分で上下に押し広げていく感じだ。極端な話、手の指を突っ込んで行っても竹は剥げるのだ。
竹には節があるのだが、この節を越える時に少し力が要る。節の手前で少し勢いをつけて包丁を引き寄せる。竹細工でケガをする時はほとんどこの時だ。竹の性質によってはなかなか割れなかったり、節のところでポキリと折れたり。この折れたときに勢い余って左手に包丁を食い込ませる事になる。私の左手にも竹細工を始めて間もない頃ケガをした痕が今でも残っている。