11月17日 朝早く起きて、前日、前前日と遅くまでクタクタになっていたためブログの記事をまとめる事が出来なかった。やっと、今日、オープニングからの2日間を整理している。目の前には昨日フェラーリのショウルームで買った熊が私に話しかけている。じーと見つめる顔が愛らしい。
今日の実演当番は油布さん、サブ担当が私、毛利さんと大橋君はフリーである。11時オープンから、ポツリポツリとお客様が入ってくる。 通訳は楓ちゃん、現地の村山さんが出てくるのはいつも3時過ぎなので、それまでは楓ちゃん一人だ。お客様が来る度に引っ張り出される。今回はボランティアで参加してくれている。毎日ほとんど、あっちだ、こっちだと引っ張りまわされ、自由な時間はほとんど無い。しかし、彼女が居ない事には、私達言葉が話せない者にとっては頼みの綱である。お父さんである私の親友「恵文さん」より「厳しく言って下さい!」と言われて来たが、本当に彼女のお陰で助かっている。小回りが聞くので買い物など、右へ左へと動き回ってくれている。20歳くらいで、おっさんやおばさんの中に入って、それなりに気を使っているだろうが、そんな事をおくびにも出さず、「ハイッ!」「ハイッ、判りました!」「何でも言って下さい。」などと、きっと日本に返ってからどっと疲れが出るだろうな!
ギャラリーでは今までミラノできれいな人を沢山見ているが、その中でも「この人は絶対モデルさんだ!」と思うような背が高くて、知性的な美人がやって来た。インターネットで今回の催しを知って来たそうだ。本人もアクセサリーなどを作るアーティストの様だ。油布さんが奇麗な人を見ると、顔は強張っているが、サービスをすること、すること。お箸に始まり、端置き、菓子楊枝まで作って差し上げている。世界何処に行っても美人は得だね!
夕方まではそれほど忙しくなくゆっくりとしていた。ところが17時過ぎからどんどんお客様が入ってきだした。あっという間にギャラリーは人で埋まっていく。ミラノのギャラリーは平日より土、日の方が人の入りが多いようだ。
お客様のリクエストもあり、急遽、竹篭作りに教室をすることになった。3組の親子が挑戦、6人ほどに教えるのが目も届き、一番やり易い。前日の経験があるので、私もイタリア語、英語を交えて教えていく。子供達も目を輝かせて大喜び、それより、お母さん達が感動して、東洋の不思議を噛み締めているようだ。作り終わった後も一緒に写真を取らせて欲しいと顔を赤らめ言って来た。
結局この日も夕方からの2時間だけでも50人以上のお客様が入っている。私の作品にも、油布さん大橋君の作品にも注文が入っている。特に油布さんの作品で60万くらいの作品が売れそうである。毛利さんも「ワインのラベルのデザインをして欲しい」と注文が入っているようだ。私は思っていた通り、波網代のポシェットタイプにイタリア人が凄い反応をして問い合わせが多い。やはりパーティーにお洒落な自分だけのバッグを持ちたいのだ。そして、作品的には、無理に迎合するのでなく、自分の持ち味を追求していった方が世界に充分通じると確信できたことが大きかった。
ギャラリー閉店後、この日は男ばかり8人で「トプカピ」というピザレストランへ、ありがたかったのはメニューの下にボールペンで日本語表記してあったことだ。料理の内容が判って注文できたこと。ミラノでは野菜サラダがあまり出てこない。やはり、肉食人種なのか?今までホテルの朝食でも、夜のレストランでもほとんど生野菜が出てこない。やっとこの店でサラダを注文したが肉料理よりサラダの方が高かった。ワインを飲みながらそれぞれに楽しんだ。ホテルに戻り、先に返っていた悦子の顔を見たとたんに、もう寝付いてしまった。