11月23日(金) 朝8時からホテルの朝食、ホテルの予約票にはコールド・ブレックファーストと書いてあったが、内容はミラノのホテルとさほど違いは無い。生ハム、スライスチーズ、コーンフレーク、ゆで卵、コーヒーとオレンジジュース、パンは美味しい物では無い。
この日は9時45分にウフィツィ美術館を予約していた。この美術館はルネサンス絵画の至宝を揃えている点で世界でも有数の美術館である。ボッティチェッリ、ラファエロ、レオナルド・ダ・ビンチ、ミケランジェロなど美術の本で目にしたものばかりだ。3時間掛けてゆっくり見学。昼食にドォーモ近くのピザ屋に入った、小さなワインを1本とピザ・マルゲリータとスパゲッティを頼んだが全然美味しくなかった。高いばかりで、やはり観光スポットそばでは食事をするのは止めておこう。
午後から、ヴェッキオ橋、橋の両サイドには宝石店ばかり軒を連ねている。目鼻立ちのハッキリしている西洋人には派手な装飾品が似合いそうだが、扁平顔の日本人には少しケバケバシイ様な気がする。
街をブラブラしていると実に団体の日本人ツアーが目に付く。その中で一人、ガイドと思われる女の人が黄色い旗を持って走り回っている。誰か人を探しているのだろう、目が真剣だ。私達はそれを見て「きっと、誰かはぐれたのだろう?」「はぐれた人を探しているんだ!」「油布さんみたいな人がいるんだ!」日本人学校での油布さんの言った事を思い出した。「どんなに注意しても聞かんヤツが一人は居る!」「それがお前じゃ!」と。何時も一人か二人ははぐれるおっさんやオバサンがいるんだよネ。しかし、農協ツアーが世界を席巻したが、未だに日本人は団体旅行で首からカメラをぶら下げて、日本語でワイワイガヤガヤ、変わらないネ!
ピッティ宮の前を通り、その後は観光スポットから離れ、地元の町並みを楽しんだ。15時までは昼食休憩でどの店も休んでいる。15時以降、家具職人や靴職人、面白かったのは帽子の木型を作る工房があった事だ。途中でスーパーマーケットで生ハムと摘みを買い込み、夜に備えた。 エノテカという酒屋に入り、やはり指差し会話帳で「あなたのお奨めのワインとシャンパンを?」と聞いて2本選んでもらった。2本で20ユーロほど、ワインは安い!今日は外食せずにホテルの部屋でワインと生ハムで食事をする事にした。
一般的に今のイタリアの物価は日本より高い、昼食でも10ユーロくらいするし、夕食だと一人30~40ユーロ、500mlのコーラやジュースでも2.2ユーロ、ビールが3ユーロ、入場料でも6ユーロから10ユーロくらいする。1ユーロ163円で計算すると随分高い物である。もう少し、円が強くなってくれると楽なのだが。
途中で気に入った絵があったので1枚買った。本人の手書きの絵だったのでとても気に入ったのだ。彼は「本当は陶芸などのデザインを本業としているが、今はアルバイトで絵を描いている」という様な事を言っていたと思う。悦子は皮手袋の工房で自分のサイズに合った手袋を購入してご満悦である。「宝飾品を買ったら?」と勧めるのだが、「あまり興味が無いから!」とこれは貧しい私を気遣っての事だろう。