草刈機には2種類ある。背中に背負うタイプの物と、肩からぶら提げて腰で振るタイプである。
この地域のお百姓さんは、殆ど背負うタイプの物を使っている。これは、斜面の多い所を草刈するには、圧倒的に背負うタイプの方が使いやすい。
平坦な土地を刈るのには、腰振り式でも充分であるが、急な斜面や凸凹が多い土地では、腰振り式では無理があるのだ。
しかし、背負い式の草刈機は腕で持つ分、半日も草刈をすると、左腕がパンパンになる。適度な所で止めておかなくては為らないのだが、草刈ってなかなか止めれないのだな!「もう少し、もう少し」と思いつつ、ツイツイ借りすぎてしまうのだ。
草に隠れて見えなかったが、昔、使っていた井戸枠が出てきた。これは、私がこの土地に入ってきたとき、まだ、家も無く、6畳二間のプレハブ住宅で生活を始めた時に、村の余り水を貰って生活し始めたのだが、その時に、自分で穴を掘り、井戸枠を3連繋ぎ、貯水タンクを作ったのだ。
今、住んでいる家になってからも、しばらくの間はこの簡易貯水タンクで生活していたのだ。しかし、余り水を使っているため、村の水道に何か不具合が起きた時は、最初に水が止まってしまい、問題が解決して、村のタンクが一杯になった後でしか、水が回ってこないのだ。
「これでは、将来的に安定した生活が出来ない!」と、ボーリングをして、地下水を掘ることにした。ボーリングの百数十万円掛かったが、水が吹き上げた時は、夫婦で抱き合って喜んだ事を今でも思い出す。
この土地に、いろんな歴史と思い出を作っているのだな。