30年来の友人、「焼肉好きの翻訳家」と言われる鈴木がやって来た。
相模原の催事案内の葉書を出していたのだが、住所が見当たらないと戻ってきた。
本人に電話して確認してみると
私 「葉書が戻って来たけれど、引っ越した?」
S 「いや、引っ越していませんよ」
私 「おかしいなー、昨年と同じ住所で出したのに戻って来たよ!」
S 「そんなはず無いんだけどなー」
私 「お前、リストラにあって、ホームレスにでもなったのか?と思ったよ」
S 「ホームレスにはなっていないけど、リストラにあって9月1日から毎日が日曜日」
私 「えっ!」 絶句である。
冗談半分でリストラ……と言ったのに、マジでそんな事になっているなんて!
あった時には、励ましてあげようと思っていたのだが、昨日、相変わらず肥え太ったお腹をした鈴木が遣って来た。意に反して、元気である。近くの居酒屋で話を聞いてみると、会社を辞めさせられるまでに、本人も、こんな会社に愛想を尽かし、気持ちの整理をしていた。新しい仕事の目処も付いているようだ。
以前から感じていたのだが、これほどエネルギッシュでキャラの濃い男が、サラリーマンで居ること自体が勿体無い気がしていたのだ。新しい門出に乾杯だ。
居酒屋で飲み食いした後、鈴木がもう一軒行きましょう。
「デザートはホルモンでしょ!」と、 何と元気の良いことか?
こいつは、肉さえ食べていれば幸せなのだ。彼の携帯電話の画像には、驚くことにお肉の写真ばかりだ。
「この霜降り肉は、何処何処の焼肉や」
「これは京都の猪肉」
「これは、近くの焼肉屋のカルビ」などなど、アンビリーバブル!
何にしても、元気で何より、何よりである。