高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

ミーティング

2009年09月19日 08時30分55秒 | 工房

月一回のミーティング。今回の9月のミーティングは特に今シーズンを終えての報告と、来シーズンに向けての意思統一である。

Cimg0114 工房全景。

リーマンショック以来の経済危機のお陰で、消費者ニーズは本当に冷えこんでいる。特に、デパートで、工芸部門の催事に出てみるとよく判る。

何処の会場に行っても、前年越えは難しく、酷い時には6割くらいになる時もある。

当然、私の所も例外では無く、今年は前年対比25%マイナスである。これは、25年間、竹工芸をやってきたが、こんなにも前年より落ち込んだ事は初めてであり、まだまだ、続くであろう景気低迷を考えると、空恐ろしい物である。

今置かれている、工房の現状を正直に話し、生産現場と販売現場とのギャップをなくさないと、次のステップに進んでいくことは出来ない。世の中の、経済動向は刻々と変わっていくし、売れるものも、時と共に変わって行く。

25年前に、私が竹細工を始めた頃は、問屋制度も力があり、「花籠」が全盛で、作っても作っても売れていった。しかし、15年ほど前から、花篭にも陰りが見え始め、今ではほとんど動かなくなってしまった。丁度、その頃から、竹バッグを作り始め、これが業界全体へも、影響を与えるヒット商品になったのだ。しかし、この竹バッグも類似品が沢山現れ、中国・東南アジアから安い粗悪品が入り、また、心無い業者が中国製品を国産品と偽って販売したり、と、市場に蔓延してきている。

未来永劫に、売れ続ける物などは有もしないのだ。
伝統工芸品としての技術を継承しながら、新しい作品作りをしていかなければならない。

「慣れた仕事をこなしていくのは楽である。しかし、今までの意識は切り替えて、新しい作品作りに向かって全員が一丸となって遣っていかなくては、この不況を乗り切って行けない!
今、改革するときはキツイけど、これはチャンスだと思う。越えて行った時は、いろんなノウハウが蓄積され、実力が付くのだから、みんなで頑張ろう!」

と、1時間ほどかけて話をさせて貰った。

by 竹工房オンセ

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