燕(つばくろ:2,763m)岳山頂からの絶景!心の目で御覧下さい。左から大天井岳(おてんしょだけ:2,922m)その奥に槍ヶ岳の雄姿、三俣蓮華岳(2,841m)
8月9-10日、全国的に台風11号に直撃され悪天候となった週末、年に一度の会社関係登山合宿、総勢28名で燕岳に登った。狙ったようにやってきた(と感じる)台風、しかも、お気楽とはいえない団体登山で、幹事諸氏には大変な苦労をおかけした。台風のコースを見ながら、8日夜、最終のコースを決定、この燕となった。当初は、8日夜行で八方尾根に向かい、9日早朝から八方尾根経由、唐松岳(2,696m)登頂、その後主脈尾根を南下して五竜山荘泊、10日五竜岳登頂後、遠見尾根を下山という計画だった。この台風直撃が確実となった時点で参加者は40名から28名に減ったことはある意味良かった(結局バス代が高くついたが)。台風が上陸する9日深夜から10日にかけて、稜線上は風速20-30mと予想され、山小屋泊とはいえ、10日の行動は危険との判断で、山域を変更することに。最終的には、先週から配信の始まった気象庁HPの高解像度降水ナウキャスト(250m四方単位)で雨の少なさそうな燕岳日帰りピストンに変更した。幹事さん、さすがでした! (http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/highres_nowcast.html
9日23:30西新宿バスターミナル集合。一路信州に向かう。
9日5:35登山口の中房温泉を出発。山頂方向は雲に覆われているものの、雨もなく、まずまずのスタート。途中までは安曇野の風景も。残念ながら、この後、眺望全く開けず、お伝えできる画像も、ここまで。
途中から雨も降り出し、レインウエアを着たり脱いだりの生活に。8:30合戦小屋(2,489m)着。ななんと、スイカ売ってます。8分の一カット800円也。高いか安いかは、ご本人様の気持ちの問題。先ほどの降水ナウキャストによれば、今我々がいる地点のわずか数キロ東は晴れ。太平洋高気圧がもう少し強ければ、これから登る山頂も晴れるのに・・・!ということで、「高気圧、来い!」の祈りを捧げる若者。
10:00燕山荘到着。ここから南に下ると、大天井、常念、蝶への縦走路となる。ここで荷物をデポして、燕岳山頂にダッシュ。
冒頭の写真が全て、山頂で視界は10mほど。風速はまだまだゆるく、10mほどか?それでも寒い。絶景は又次回!尚、山頂付近は、砂礫に覆われた岩稜帯で、複数の踏み跡があるが、従い視界が悪いと迷いやすい。今回も、ルートを外し肝を冷やす場面も。その後、燕山荘で昼食、カップラーメン350円、大盛りカツカレー1,200円。その後13:00出発、雨の中、滑りながら下山、16:00全員無事に中房温泉登山口に到着。終日、雨だったが、大雨というわけでもなく、又強風にも見舞われず、台風接近の環境下、まずは良かった!
今日のお宿は、日本秘湯を守る会に登録されている中房温泉!左は一般観光客用お宿、右は登山者向けお宿。温泉は、大小14か所もあり、とても入りきれるものではありません。源泉かけ流し、90度以上ある素晴らしい硫黄泉で、立派!ぜひ一度ぞうぞ。
追記:
今回台風接近の悪いコンディションでの団体登山には正直迷うところが多かった。昨年もほぼ同数で鹿島槍を目指すも、同様の悪天候と故障者でかろうじて予定をこなすことができた。今回は、さらに台風接近どころかうっかりすると直撃ともなりかねない状況だ。自分ひとりならその場の判断でなんとでもできるし、起こったことも自分ひとりの責任で済むが、大人数だとそうはいかない。今回、幹事をしてくれたKOBU氏は、すでに何度もこのブログに登場しているが、彼の判断が今回の全員無事帰宅の最大のポイントだった。山域の変更、多少きついが、台風接近を待たずに下山する日程など、この日という選択以外、全てが最適の判断だったと思う。彼のアレンジメントには感謝したい。又、今回のメンバーは、20歳代が半数以上、それ以上も経験者やアスリート系がほとんどで、体力的な問題がなかったことが幸いした。コースタイム約8時間を、休憩込みで約10時間で往復で来たので、まずは上出来といってよいのではないか。しかし、今回は相当上手くいったとみるべきだ。今後も、団体登山が計画されているが、慎重な計画、柔軟な予定の変更、メンバーの状態把握など決して怠ってはいけないと肝に銘じた。
何事も体験、経験なしに次回の判断は下せないものでありましょう。
大人数、少人数、単独とそれぞれに経験してみてその楽しみかたを知るのもまた山の良さでしょう!
若い力をいっぱい貰えたようで何よりです。